従来のセキュリティモデルは、主にネットワークの境界を
Zelleはアメリカ国内で人気の個人間の送金サービスです。
割り勘や、何かオンラインで売買した時などに、お金を個人間で送金しあって使われてるのが一般的です。
便利な一方、近年、アメリカでは、Zelleを利用した詐欺の被害件数も増えています。
そこで、Zelleとは何か、ネット上で知り合った人にZelleでお金を受け取るリスク、Zellerを使った詐欺の手法、Zelleのアカウントを安全に保つ方法などを紹介します。
Zelleとは
Zelleは、アメリカの金融機関が共同で開発した、個人間での即時送金サービスです。このシステムを利用すると、銀行口座を持つユーザーは、メールアドレスや携帯電話番号を使って、簡単にお金を送ったり受け取ったりすることができます。Zelleは、参加している銀行のモバイルアプリやオンラインバンキングサービスに統合されており、追加のアプリをダウンロードする必要はありません。また、Zelleが個人送金アプリとして人気の理由は、基本的に個人間の送金が無料であることにあります。
Zelleの便利な特徴
Zelleが便利で、個人送金アプリとしてアメリカで流行している理由は、主に以下のような使いやすさのある特徴からきています。
- Zelle同士の即時送金
- 幅広い銀行の対応
- 使いやすいUIデザイン
- 高いセキュリティ性
日本で言うところの、PaypayやLINE Payなどと同じようなデジタルウォレットの一種ですね。
Zelleを使うメリット
アメリカでZelleを使うメリットをご紹介します。
即時送金ができる
即時送金によって、Zelleは日常生活のさまざまな場面で役立ちます。例えば、レストランでの食事後に割り勘をする際や、友人や家族に急いで資金を送る必要がある時など、送金を待つ時間がない状況で特に便利です。Zelleを使用すると、受取人は銀行営業日や時間を気にすることなく、週末や祝日でも即座に資金を受け取ることができるため、急ぎの支払いや緊急の資金移動にも対応できます。
安全なセキュリティの高さ
Zelleのセキュリティはその最大の特徴の一つで、ユーザーが安心して取引できる環境を提供します。このサービスは、銀行が管理することで、既存の銀行のセキュリティフレームワークとプロトコルを活用しています。つまり、ユーザーの口座情報、個人情報、取引の詳細は、銀行のセキュリティシステムによって厳重に守られています。
基本手数料が無料
Zelleの一番の魅力と言ってもいいのが、Zelleユーザー同士であれば、送金手数料が無料という特徴です。多くの送金サービスでは取引ごとに手数料がかかることが一般的ですが、Zelleを利用する場合、ユーザーはそのような追加コストを心配する必要がありません。しかし、そのお金を銀行に移す時は、銀行の引き落とし手数料がかかってしまいますが、基本的な送金が無料で行えるのが、流行している理由の1つでもあります。
幅広い銀行ネットワークへの対応
幅広い銀行ネットワークへの対応は、Zelleの普及とアクセシビリティを高めています。アメリカ国内の主要な銀行だけでなく、アメリカの地域の銀行や信用組合もZelleのネットワークに参加しており、多くのユーザーが自分の既存の銀行口座を通じて簡単にサービスを利用できるようになっています。
Zelleを使った詐欺の手口は?
Zelleは日本では登録時にアメリカの住所や、アメリカの銀行情報、クレジットカードやデビットカードが必要なため、基本的には使用できません。
なので、日本の方がZelleを使った詐欺にかかる可能性は低いかもしれませんが、アメリカを行き来している方などでZelleを使っている方は以下のような手口に注意しましょう。
国際ロマンス詐欺
Zelleを使ったロマンス詐欺は、詐欺師が感情的な関係を装い、被害者からお金をだまし取る手法です。この詐欺は通常、ソーシャルメディア、デートアプリ、あるいはウェブサイトを通じて始まります。詐欺師は、魅力的なプロフィールと偽のアイデンティティを作成し、被害者との信頼関係を築きます。一度関係が確立されると、詐欺師はさまざまな理由を挙げて金銭的な援助を求め始めます。
例えば、詐欺師は医療費、ビジネスの立ち上げ資金、緊急事態のための旅費、または家族への支援など、緊急で感情的な状況を偽ります。Zelleのような即時送金サービスは、これらの詐欺師にとって好都合です。
オーバーペイメント詐欺
詐欺師が商品やサービスの支払いとして、意図的に多くのお金を送ります。その後、過払い分を返金するよう要求します。しかし、元の支払いがキャンセルされたり、不正な資金源からのものであったりするため、実際には売り手は二重に損をします。
商品未発送詐欺
売買詐欺は、オンライン市場や個人間取引のプラットフォームで一般的に発生します。詐欺師は、存在しない、または説明されているような状態ではない商品やサービスを広告します。購入者が興味を示すと、詐欺師は信頼を得るために説得力のあるコミュニケーションを展開します。取引が成立すると、詐欺師はZelleのような即時送金サービスを使用することを勧め、これにより取引が迅速に完了すると主張します。
購入者が送金すると、詐欺師はさまざまな言い訳を使って商品の発送を遅らせたり、完全に音信不通になったりします。
知らない人から Zelle の支払いを受け入れる危険性
Zelle は、ユーザーが知っていて信頼する人物に送金したり、支払いを受け取ったりするためだけにアプリを使用することを強く勧めています。 Zelle を用いた詐欺はよく発生するため、オンラインで商品を販売する際には、見知らぬ人からの Zelle の支払いは受け付けないことが最善です。 その理由を説明しましょう。
見知らぬ人が盗まれたクレジットカードを使用している可能性
オンラインで商品を販売した際に、購入者が Zelle 以外の方法による支払いを拒否する場合は、購入者が盗まれたクレジットカードを使用している可能性があることに注意してください。 典型的にこの詐欺は、買い手が Zelle で送金し売り手がそのお金を受け取るため、売り手は商品の発送または引き渡しを行うことで発生します。 しかし、買い手が盗まれたクレジットカードを使用している場合は、支払いが不正なものであるため、最終的にその資金が売り手のアカウントから削除されます。
商品の種類によっては、売り手にとって相当額の損失となる可能性があるのです。
過剰な支払いしてしまったと言い、お金を返金するように求められる
Zelle で頻発する詐欺には、買い手が売り手に多額の支払いを行い、その後に返金を求めるというものがあります。 その支払いはたいてい不正なものあるため、相手に払い戻しをするということは、売り手が「買い手」への支払いを済ませた後に当初の支払いが取り消されるため、売り手は損をするということです。
Zelle は、すでに支払いが行われた後にそれを取り消すことはないため、Zelle を通じて誰に送金し、誰から支払いを受け取るかについて細心の注意を払ってください。
場合によっては、そこで法的措置を取るなどと言って脅してくる場合もあります。
見知らぬ人から Zelle の支払いを受け取った場合の対処方法
Zelle で発生するもう 1 つの詐欺は、心当たりのない一方的な支払いを知らない人から受け取ることです。 その送り主が、送ったお金が必要なので返金してほしいと懇願してくる場合があります。 このようなシナリオは、見知らぬ人が誤って間違った人に送金したことで発生する場合がありますが、これは、多くの詐欺師がお金を盗むために使用する手口でもあります。
見知らぬ人から心当たりのない Zelle の支払いを受け取った場合は、以下の手順に従ってください。
1. 見知らぬ人の指示には従わない
見知らぬ人の指示には、彼らが「間違って」送ったお金をただ送り返すように促すものがあります。 詐欺でお金を失わないようにするために、お金は送り返さないでください。
2. 送られたお金は使わない
見知らぬ人から送られたお金は使わないようにしましょう。 見知らぬ人が詐欺師だった場合、自分のお金を使っているだけのことになります。 送り主が詐欺師ではない場合でも、状況を複雑にしないようにするために、そのお金を使うのは避けた方が良いでしょう。
3. Zelle に連絡する
お金を送り返したり使ったりするのではなく、Zelle に連絡しましょう。 状況を説明し、この件が詐欺師にお金を送らせるための詐欺の企ての疑いである可能性を伝えるのです。 Zelle は見知らぬ人への支払いを取り消すことがあるため、自分でお金を送り返さなくても済みます。
Zelle で詐欺に遭わない対策方法
Zelle を使用する際に自分の資金を安全に保つためには、自分が知っており信頼する人物とのお金のやり取りにのみサービスを使用すること、デビットカードではなくクレジットカードを紐づけること、Zelle アカウントを強力なパスワードと多要素認証(MFA)で保護することを実行しましょう。
知っている人とのみお金のやり取りをする
前述したように、Zelle は自分が知っていて信頼する人物とのお金のやり取りにのみサービスを使用することを推奨しています。 これは、Zelle が支払い保護を提供しておらず、間違った人や詐欺師の可能性のある人物に送金すると、そのお金が二度と戻ってこない可能性があるためです。
また知っている人でも、そのアカウントを装った、なりすましアカウントやアカウント乗っ取り被害に遭ってしまい、緊急のお金を要求してくる場合には、対応しないようにしましょう。
デビットカードではなく、クレジットカードを紐付ける
Zelle のアプリを使用する場合、アプリにはデビットカードではなくクレジットカードを紐づけするようにしましょう。 これは、クレジットカードがデビットカードよりも優れた詐欺防止機能を備えており、詐欺に遭った場合でもお金を安全に保つためです。
クレジットカード会社が、詐欺や詐欺行為を調査し、そのアプリやサイトが返金や支払いの取消しを拒否しても、あなたがお金を取り戻せるようサポートします。
強力なパスワードを使用する
すべてのオンラインアカウント、特に送金アプリや銀行口座は、強力なパスワードで保護されている必要があります。 強力なパスワードは、権限のないユーザーが推測したり解読したりすることが不可能なパスワードです。 すべてのアカウントのパスワードはランダムで、文字、数字、記号が混在している必要があります。 パスワードは、少なくとも 16 文字以上でなければなりません。 パスワードがよりランダムで長いほど、安全性はより高くなります。
各オンラインアカウントごとに強力なパスワードを自分で作成することはもちろんのこと、それらすべてを覚えるのは大変なことですが、パスワードマネージャーがその助けとなります。 パスワードマネージャーは、ユーザーが強力なパスワードを作成するのに役立ち、それらを安全に保存するため、ユーザーがそれらすべてを自分で覚える必要がありません。
多要素認証(MFA)のオプションがあれば、それを有効にする
強力なパスワードに加えて、オンラインアカウントでは MFA を有効にすることもお勧めです。MFA は、アカウントにログインする際に追加の認証を求めるセキュリティ対策です。 ユーザー名とパスワードに加えて、MFA は認証アプリから顔認識や時間ベースのワンタイムパスワード(TOTP)コードなど、1 つ以上の追加の認証方法を要求します。 選択する MFA 方法は、利用可能なオプションや有効にする内容によって異なります。
権限のないユーザーがあなたのパスワードを解読した場合でも、MFA があれば、そのようなユーザーがあなたのアカウントにログインするのを防ぎます。
まとめ:Zelleの詐欺被害に遭わないよう気をつけましょう
アメリカの銀行に紐付けなければいけない特性から、日本でZelleを使うユーザーは少ないかと思います。
しかし、アメリカを行き来する方などでZelleを使っている方もいると思うので、特に遠距離であれば、相手とのコミュニケーションも難しいので、上記のように紹介した詐欺などには気をつけましょう。
また、知らない人からの送金も受け取らないようにしましょう。
また、Zelleのような送金アプリのパスワードや二要素認証などを使用するのに便利なのが、Keeper のパスワードマネージャーのようなアプリです。
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