認証基盤を強化する方法としては、アイデンティティ管理
API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は、異なるソフトウェア間で情報をやり取りするための手段ですが、APIに潜む脆弱性はセキュリティリスクを引き起こすことがあります。
攻撃者がこれらの脆弱性を悪用することで、情報漏洩やシステムの不正アクセスなどの問題が発生する可能性があります。APIの脆弱性には、認証や認可の不備、過剰なデータ露出、データの暗号化不足などが含まれます。
このブログでは、APIに関するよくあるリスクや、脆弱性を軽減する方法やソリューションをご紹介します。
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APIとは?
APIとは、、開発者やエンドユーザーがその実装方法を知らなくても、異なるソフトウェアやアプリケーションが相互に通信し、データや機能を共有するためのインターフェースです。例えば、ウェブサービスを利用して他のアプリケーションから情報を取得したり、外部システムに対して操作を行うために使用されます。
APIは、プログラムが他のプログラムとやり取りするための「契約」のようなもので、開発者が事前に定義した仕様に基づいて、情報の取得や処理が行われます。一般的に、APIはRESTやSOAPなどのプロトコルを使用して通信し、JSONやXML形式でデータをやり取りすることが多いです。
APIに関する主要なリスク
ここでは、APIに関する主要なリスクをご紹介します。
オブジェクトレベル認可の不備
オブジェクトレベル認可の不備は、リクエスト者が許可されていないデータにアクセスしたり、データを改ざんできてしまうリスクです。例えば、組織の従業員が上司の許可されていないアカウント情報や機密データにアクセスすることが可能になってしまうような状況を指します。このリスクは、APIがリクエスト内容を適切に検証されずにデータにアクセスできる場合に発生します。
機能レベル認可の不備
機能レベル認可の不備は、最小権限の原則が実施されていない組織にによく発生します。
APIがユーザーに対して本来アクセスすべきでない機能へのアクセスを許可してしまうことがあります。
攻撃者が不正に特権アカウントにアクセスできるようになる可能性があるため、APIのアクセス管理においては、ユーザーの役割と権限に基づいて厳密にアクセス制御を行うことが重要です。
ユーザー認証の不備
ユーザー認証の不備は、APIのセキュリティ上で重大なリスクとなります。APIがユーザーの身元を正しく認証せずにアクセスを許可する場合、攻撃者が不正にシステムにアクセスできてしまう可能性があります。
ユーザー認証が不完全または不適切な場合、攻撃者はパスワードやセッションIDを盗んでシステムに侵入されてしまうリスクがあります。例えば、脆弱なパスワードや簡単に推測できる認証情報を使用して、攻撃者は他のユーザーになりすますことが可能になります。これにより、特権昇格やラテラルムーブメント、ランサムウェアなどの組織内に攻撃者が侵入した後に、さらなるサイバー攻撃の被害を生み出してしまうリスクがあります。
資産管理の不備
資産管理の不備は、APIがどのようなアセット(例えば、サービス、機能、データ)を提供しているのかについての十分なドキュメントや管理がされていない場合に発生します。APIのバージョン管理や、使われなくなったAPIの削除、セキュリティパッチの適用が怠られることによって、このリスクが高まります。
過剰なデータ露出
過剰なデータ露出は、APIがそのレスポンスにおいて、要求されていないデータや不必要な情報まで返してしまうという脆弱性です。この脆弱性は、攻撃者が予期せぬ形で重要な情報を得て、今後の攻撃の手がかりとするリスクを生み出します。例えば、APIがユーザーの個人情報や機密データ、システム内の設定情報など、必要以上に詳細な情報を返す場合があります。
過剰なデータ露出が発生する原因としては、API設計時にデータフィルタリングが不十分であったり、レスポンスの際にすべてのデータが返されることが挙げられます。このような状況では、本来アクセスできるべきでない情報が意図せずに公開されてしまう可能性が高まります。
リソースとレート制限の不足
リソースとレート制限の不足は、APIにとって深刻な脆弱性を引き起こします。これは、APIがリクエストの数やサイズに適切な制限を設けていない場合、またはサーバーリソースが十分に管理されていない場合に発生します。そして、APIが遅延したり、最悪の場合、完全に停止することがあります。
さらに、リソースとレート制限が適切に設定されていないと、サービス拒否(DoS)攻撃や分散型サービス拒否(DDoS)攻撃のリスクが高まります。これらの攻撃では、攻撃者が大量のリクエストをAPIに送り込み、サーバーがそのリクエストを処理できなくなり、正常なユーザーによるアクセスができなくなります。
APIに関する脆弱性を軽減する方法
ここでは、APIに関する脅威を軽減する方法をご紹介します。
APIキーの管理
APIキーはAPIにアクセスするための認証情報であり、その取り扱いが不適切だと大きなセキュリティリスクを引き起こします。APIキーの漏洩や不正利用を防ぐため、適切なライフサイクル管理を実施することが必要です。これには、APIキーの定期的なローテーション、無効化、アクセス範囲の制限などが重要になります。
また、APIキーを外部に公開しないようにし、環境変数や暗号化されたKeeperのボルトのような場所に保存することが重要です。APIキーの使用を監視し、不正アクセスや異常なアクティビティがあった場合には、即座にキーを無効化し、ロテーションし、再発行する仕組みを確立します。
APIの利用制限
APIへのリクエスト頻度を制限するレート制限をすることで、不正アクセスやサービスの過負荷によるダウンタイムを防ぐことができます。
リクエスト数を制限することは、DDoS攻撃や悪意のある大量リクエストからAPIを保護するための基本的な防御手段です。
例えば、特定のIPアドレスやAPIキーに対して、1分間に許可するリクエスト回数を制限することで、過剰なリクエストがシステムを圧迫するのを防ぎます。通常の利用者は問題なくAPIを利用できる一方で、攻撃者が一度に大量のリクエストを送信するのをブロックできます。
APIへアクセスする認証を強化
APIへの不正アクセスを防ぐためには、認証を強化することが重要です。まず、強力なパスワードポリシーを導入し、組織全員に遵守させることが基本です。推奨されるパスワードポリシーとしては、最低でも16文字以上の長さで、大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた複雑で強力なパスワードを設定することです。これにより辞書攻撃を防ぐことができます。
また、パスワードの使い回しを防ぐために、過去に使用したパスワードを再利用できないように監視することやパスキーのようなパスワードレス認証を導入することも一つの鍵です。さらに、多要素認証や生体認証の導入により、認証のセキュリティを強化することができます。このようにAPIへのアクセス認証を強化するには、KeeperPAMに含まれるパスワードマネージャーの機能を利用することで管理が安全かつ容易になります。
APIへアクセスする認可を強化
APIへのアクセスにおける認可を強化するためには、最小権限の原則を組織内で実行することが重要です。
この目的を達成するために、ロールベースのアクセス制御(RBAC)を実装することが有効です。RBACでは、ユーザーの役割に基づいてアクセス権限を付与します。たとえば、システム管理者のような特権アカウントには広範な権限を与え、一般ユーザーにはその役割に応じた最低限のアクセス権限を付与します。
これにより、特権アカウントへの過剰な権限付与を防ぎ、万が一アカウントが侵害されても、攻撃者がアクセスできる範囲を制限できます。
このようにアクセス権限を細かく管理し、必要なリソースへのアクセスのみを許可するためには、KeeperPAMのようなPAMソリューションに投資することで、最小権限の原則やロールベースのアクセス制御の実現をより簡易化させてくれます。
リクエストとレスポンスを暗号化する
APIにおける通信のセキュリティを確保するためには、リクエストとレスポンスの暗号化が非常に重要です。通信中に送受信されるデータが暗号化されていない場合、悪意のある第三者によってデータが盗聴されるリスクがあります。これにより、機密情報の漏洩や改ざん、さらには認証情報の盗難などの脅威が発生する可能性があります。
リクエストとレスポンスを暗号化することで、これらのリスクを軽減し、データの保護を強化できます。例としては、API通信においてSSL/TLS(Secure Sockets Layer / Transport Layer Security)を使用することで、インターネット上の通信が暗号化され、通信経路上でデータが盗聴されたとしても、内容が解読されないようにします。
ゼロトラストポリシーを実装する
ゼロトラストポリシーは、「信頼しない、常に検証する」というセキュリティの原則に基づいており、すべてのアクセスリクエストに対して継続的に検証を行います。
ネットワーク内部と外部の両方で、ユーザー、デバイス、リソースのアクセスを常に監視し、必要に応じてアクセスを制御するため、ゼロトラストのアプローチはAPIの脅威を軽減する強力な方法です。
組織内でゼロトラストポリシーを実現するソリューションの1つとして、特権アクセス管理(PAM)を活用することが有効です。
PAMは、特権アカウントへのアクセスを厳密に管理し、APIを使用する際のアクセスを適切に制御するための重要なツールです。PAMを導入することで、組織内で特権を持つユーザーに対するアクセス権限を厳密に管理し、誰が、どのタイミングで、どのリソースにアクセスしたのかを追跡することができます。また、PAMは多要素認証を統合することができ、特権アクセス時に強化されたセキュリティを提供します。
まとめ:KeeperPAMでAPIのリスクを軽減
APIに関する脅威を軽減するための重要な戦略の1つとして、ゼロトラストお考えがが役に立ちます。
ゼロトラストモデルでは、社内外を問わずすべてのアクセスを常に検証し、最小限のアクセス権限を付与することで、セキュリティリスクを最小化します。
KeeperPAMは、APIへアクセスを管理するための特権アカウントの強力な認証と認可機能を提供します。例えば、多要素認証(MFA)やパスワードレス認証を導入することで、アクセス前にユーザーの正当性を確保します。これにより、不正アクセスや認証の突破を防ぎます。
さらに、KeeperPAMは特権アクセス管理を強化するために、アクセス権限の最小化を実現します。
KeeperPAMを活用することで、組織は永続的な特権を削減し、ゼロトラストアプローチを実現を簡素化させ、不正アクセスやセキュリティ侵害を防ぐことができます。
KeeperPAMのデモをリクエストして、特権ユーザーごとの安全な管理と制御を強化し、高度なサイバー攻撃から組織を守る方法をご確認ください。