サイバー犯罪者は、セキュリティリソースが限られている
あなたのIPアドレスが第三者に知られると、おおよその位置を特定されたり、オンラインアクティビティを追跡されたり、なりすましをされたり、DDoS攻撃を実施されたりすることがあります。 サイバー犯罪者の多くは、あなたのIPアドレスを使用してフィッシング攻撃を仕掛けることで、あなたの詳しい個人情報を手に入れようとします。犯罪者はその情報を使用して、あなたのインターネットプロバイダの特定やなりすましに利用することがあるのです。 IPアドレスだけでは、あなたのデバイスがサイバー犯罪者にハッキングされることはありません。しかし、あなたのIPアドレスがサイバー犯罪者に知られてしまうと、サイバー攻撃の標的にされやすくなるのです。
ここでは、IPアドレスとは何か、サイバー犯罪者がIPアドレスを使ってできること、犯罪者にIPアドレスを悪用されないようにする方法について説明します。
Keeperの無料トライアルで、パスワード管理をもっと簡単に。
安心・安全・便利を個人用30日間無料で体験しましょう
IPアドレスとは?
一般的にはIPアドレスとして知られているインターネットプロトコルアドレスは、デバイスに割り当てられた一意の番号です。 IPアドレスは、インターネットを使用する際にユーザーを識別し、ウェブサイトがロードされてネットワーク上で他のユーザーと通信するのを待つ際にユーザーを特定するために使用されます。 IPアドレスがなければ、デバイスはネットワーク上でデータを送受信することができず、インターネットへの接続や、オンライン上での他のユーザーとの通信は不可能になります。 ユーザーのIPアドレスは、ユーザーの位置情報やネットワークを明らかにするものであるため、サイバー犯罪者が手に入れたがるものです。また、IPアドレスがあれば、ユーザーのデバイスにアクセスして個人情報を盗むことも可能になります。 そもそも、サイバー犯罪者がユーザーのIPアドレスを見つける方法はいくつかあります。例えば、ユーザーが迷惑メールをクリックしたり、偽の広告をクリックしたり、違法サイトにアクセスしたり、オンラインフォーラムに投稿したり、ハッキングされた公共Wi-Fiネットワークを使用したり、フィッシング詐欺に騙されたりした場合などです。
第三者があなたのIPアドレスを使ってできること
サイバー犯罪者は、あなたのIPアドレスを使ってさまざまなことを実行できます。これには、位置情報の追跡、オンラインアクティビティの監視、個人情報に関する詳細の確認、さらには、あなたになりすまして違法行為を働くことなどが含まれます。
あなたの位置情報を追跡できる
あなたのIPアドレスが誰かに知られてしまうと、あなたが住む都道府県や都市、さらには郵便番号さえも特定されてしまいます。ただし、あなたの正確な位置情報が追跡されることはありません。 あなたのおおよその位置がわかると、サイバー犯罪者はオンラインでさらに調べて、実際の住所などあなたに関する詳しい情報を、SNSや人物検索サイト、あなたのデジタルフットプリントなどを通じて見つけ出すことができます。 悪意のある人物が、あなたについて見つけた情報を使用して、あなたをドキシングする場合があります。これは、サイバー犯罪者があなたの個人情報 (PII) をインターネット上に公開して、プライバシーを侵害する行為です。 例えば、サイバー犯罪者にあなたが住む地域をおおまかに知られたとします。もし、あなたが小さな町に住んでいる場合、サイバー犯罪者があなたの自宅住所を特定してオンラインで晒すのは、より簡単なことかもしれません。 このため、SNSで過剰に共有しないこと、特に位置情報をタグ付けしないことが重要になってきます。サイバー犯罪者は、あなたのIPアドレスから取得した情報と、あなたがオンラインで共有する情報とを比較して、あなたの身元情報を特定することができるのです。
あなたのオンラインアクティビティを追跡できる
あなたのIPアドレスを手に入れた人物は、それを利用してあなたのオンラインアクティビティを閲覧することが可能です。 あなたの雇用主でさえ、あなたが企業ポリシーを遵守して生産性を維持していることを確認するために、IPアドレスを使用してあなたが勤務中にアクセスしたウェブサイトを把握することがあります。 例えば、あなたがオフィスビルで働いているとしましょう。あなたのコンピュータを会社のWi-Fiネットワークに接続すると、雇用主は、あなたが仕事中にオンラインで実行しているすべてのことを確認しようと思えば、それを実行できるのです。 このことが、自宅のWiFiネットワーク用に安全なパスワードを設定することが重要である理由でもあります。サイバー犯罪者にあなたのIPアドレスが知られた場合、あなたが自宅にいる間にネットワークがハッキングされ、オンラインアクティビティを追跡される恐れがあるのです。
あなたの個人情報を見つけられる
サイバー犯罪者は、あなたのフルネームや自宅住所などのPIIをさらに特定するために、あなたのIPアドレスを使います。 PIIの例には、他にもクレジットカード情報、医療記録、運転免許証番号、生年月日、社会保障番号 (SSN) などがあります。 サイバー犯罪者は、あなたのIPアドレスを使用してインターネットサービスプロバイダー (ISP) を追跡することで、この機微情報を見つけることができます。 サイバー犯罪者は、あなたのインターネットサービスプロバイダー (ISP) を突き止めた後、フィッシングメールを通じてプロバイダーに連絡し、あなたの身元情報などのPII情報を明かすよう仕向けることがあります。 IPアドレス自体はPIIと関連していないものの、サイバー犯罪者はIPアドレスを使用してISPにあなたに関する情報を共有させ、その情報を詐欺や身元情報の盗難を犯すために使用することがあるのです。
悪意を持ってあなたになりすますことができる
サイバー犯罪者があなたのIPアドレスを手に入れて、調査やフィッシング攻撃であなたのPII情報を特定すると、あなたになりすまして詐欺や身元情報の盗難などの悪質な行為を犯す可能性があります。 あなたのIPアドレスを手に入れた人物が、FacebookであなたのSNSアカウントを見つけたとします。 アカウントが公開されている場合、サイバー犯罪者は偽のSNSプロフィールを作成し、あなたのすべての投稿や画像を利用して、あなたになりすまします。 犯罪者があなたのフォロワー全員に友達リクエストを送信することさえあり、あなたの友達はこの偽アカウントが実際にあなたのものだと思うかもしれません。 サイバー犯罪者は一度これを実行すると、あなたの友達にメッセージを送って金銭を要求したり、一方的で危険なリンクを送信してデバイスにマルウェアを感染させたりする可能性があります。
これは十分に有害なものですが、サイバー犯罪者があなたのIPアドレスを使用して違法行為を行うことさえあります。 例えば、サイバー犯罪者は、スワッティング攻撃を仕掛けることがあります。これは、あなたが法執行機関に重大な緊急事態を通報したかのように見せかけて、あなたの住所にSWATチームといった警察部隊が配備されるというものです。 サイバー犯罪者がIPアドレスを使用してあなたに濡れ衣を着せる違法行為には、ダークウェブでの違法薬物の購入や、不適切なコンテンツをオンラインでダウンロードすることなどがあります。

分散サービス拒否 (DDoS) 攻撃を行うことができる
サイバー犯罪者があなたのIPアドレスを入手すると、分散サービス拒否 (DDoS) 攻撃でサーバーのトラフィックを混乱させる可能性があります。 突然発生する大量のトラフィックに圧倒されると、サーバーは速度が低下したり完全にクラッシュしたりします。 サイバー犯罪者は、あなたのIPアドレスを使用するだけで、デバイスに不正なトラフィックを溢れさせてこの種のサイバー攻撃を開始します。 犯罪者らは、多くの場合ボットを使用して多数のリクエストをサーバーに送信し、あなたのIPアドレスが特定されている場合はあなたのデバイスをターゲットにします。 これにより、デバイスがインターネットに接続できなくなったり、トラフィックが止まらないために完全に停止したりすることがあります。
あなたのデバイスにハッキングできる
第三者があなたのIPアドレスを知っていれば、ポートスキャナーと呼ばれるツールを使用してデバイスにハッキングすることができます。ポートスキャナーは、あなたのネットワークポートのどの部分が開いてのかを特定するものです。 サイバー犯罪者が開かれたポートをスキャンすると、デバイスにあるセキュリティの脆弱性を特定し、それらを使用してアクセスを獲得します。 サイバー犯罪者は、あなたのデバイスにマルウェアを感染させて、個人情報を盗むことでこれを実行します。 インターネットはIPアドレスとポートを使用して接続するため、あなたのIPアドレスを得たサイバー犯罪者は無数のポートにアクセスすることが可能です。もしポートが開けば、あなたのデバイスのデータが抜き取られる可能性があるのす。
IPアドレスをダークウェブで販売される
サイバー犯罪者の中には、あなたのIPアドレスを自分で使用するのではなく、ダークウェブで販売しようとするものもいるかもしれません。 あなたのIPアドレスとPIIはダークウェブで販売される可能性があります。そこでは、他のサイバー犯罪者が詐欺や身元情報の盗難などの悪意を持ってそのような情報を購入するものと考えられます。 サイバー犯罪者が得た情報があなたのIPアドレスだけであった場合でも、それをダークウェブで販売することで、あなたの身元情報についてオンラインで広く調べる方法を知っていれば、あなたの他の個人情報が暴露され、危険に晒される可能性があるのです。 あなたのIPアドレスがSSNなどの機密情報につながる可能性があることを踏まえると、IPアドレスが盗まれるだけでもダークウェブではIPアドレスの価値が高まることがわかります。
パーソナライズされた広告を送信できる
広告主は、クッキーやトラッキングピクセルなど、埋め込まれたトラッキングプログラムを通じてデバイスの情報を追跡することができます。 例えば、あなたがウェブサイトを訪問して興味をそそる広告をクリックすると、その広告を作成した広告主があなたのIPアドレスを記録します。 広告主は、あなたが興味を惹かれた内容に関連する広告を送り続けてきます。これは、あなたが今後再びクリックする可能性が高いとわかるためです。 数週間後には、あなたが最初にクリックしたコンテンツに関連した、地域で提供されるサービスについての広告を受け取るかもしれません。これは、広告主があなたのIPアドレスの位置情報を利用して、広告をカスタマイズしたためです。
自分のIPアドレスが第三者に使われないようにするには
あなたのIPアドレスは悪意のある人物に使用される可能性があるため、以下のヒントに従って、誰にもIPアドレスを使用されないようにする必要があります。
VPNを使用し始める
仮想プライベートネットワーク (VPN) は、あなたのIPアドレスが使用されるのを防ぐために不可欠です。これは、あなたのインターネット接続を暗号化してオンラインアクティビティを非公開にするためです。 VPNを使用している間は、あなたのIPアドレスと個人情報は非公開のままになります。 VPNに接続している間にあなたが訪問したウェブサイトは、あなたのIPアドレスを把握することができず、位置情報が知られることも、オンラインでの行動が追跡されることもありません。
ファイアウォールとルーターを更新する
サイバー犯罪者は、あなたのWi-Fiルーターとファイアウォールが古い場合、ルーターをリモートでハッキングしてウェブトラフィックを傍受することができます。 古いハードウェアやソフトウェアを使用していると、セキュリティリスクに対して脆弱になります。そのため、ファイアウォールとルーターを最新のソフトウェアアップデートで定期的に更新することが重要です。 ファイアウォールやルーターを更新しなければ、サイバー犯罪者にセキュリティの脆弱性を悪用され、あなたのIPアドレスが晒される可能性があるのです。 自宅のWi-Fiでさえリモートでハッキングされる可能性があるため、強力なパスワードでWi-Fiルーターを保護する必要があります。 自宅のWi-Fiルーターには、少なくとも16文字で、大文字と小文字、数字、記号を組み合わせたパスワードを設定することで、Wi-Fiルーターは安全なものとなります。そのため、サイバー犯罪者にあなたのIPアドレスを知られにくくなるのです。
一方的に送られてきたリンクや添付ファイルをクリックしない
迷惑メールや添付ファイルを含む不審なメールは、フィッシング攻撃を仕掛けようとしている可能性があるため、警戒が必要です。 一方的に送られたメール内のリンクや添付ファイルは、騙されて簡単にサイバー犯罪者に個人情報を共有してしまう可能性があるため、クリックしないことが最善です。 一方的に送られてきたリンクや添付ファイルをクリックすると、あなたのIPアドレスがメッセージを送信したサイバー犯罪者に送られ、マルウェアがデバイスにインストールされる可能性があります。 マルウェアを含む迷惑リンクをクリックすると、そのマルウェアがあなたのデバイスにインストールされ、個人データがサイバー犯罪者に共有されるようになります。 コンピュータを使用している場合は、リンクが安全かどうかを確認することができます。これを実行するには、リンクにマウスを合わせてURLをプレビューし、リンクが送信元の企業のものと一致するかどうかを確認します。 リンクの正当性を確認するもう1つの方法は、Google透明性レポートのようなURLチェッカーにリンクをコピーして貼り付けることです。 個人情報は、信頼できる人物とのみ共有し、フィッシング詐欺に騙される可能性を最小限に抑えるようにしましょう。
プライバシー設定を調整する
WhatsAppやFacebook Messengerなどのメッセージアプリでプライバシー設定を調整することで、IPアドレスをサイバー脅威から保護することができます。 プライバシー設定で、自分の知り合いだけがオンラインのステータスなどのプロフィール情報を閲覧できることを確認します。 サイバー犯罪者はメッセージアプリを通じてあなたのIPにアクセスできるため、プロフィールを非公開にすることで、犯罪者に知られる自分についての情報量を減らすことができるほか、犯罪者が身元情報の窃盗やアカウントのハッキングのために悪用する情報量を減らすことができます。 プライバシー設定を頻繁に確認し、さまざまなオンラインアプリを使用する際には更新して、自分が希望するプライバシーの程度を反映させます。
まとめ:サイバー犯罪者からIPアドレスが悪用されないように未然の対策を
サイバー犯罪者があなたのIPアドレスを利用して、いかに多くの個人情報を収集できるのかについて理解していただきましたが、IPアドレスが悪意のある人物の手に渡るのを防ぐために、できる限りのことを行うことが重要です。 VPNを使用し、ファイアウォールの設定を更新し、強力なパスワードでWi-Fiルーターを保護することで、サイバー犯罪者からIPアドレスを保護することができます。 自宅のWi-Fiルーター向けに強力なパスワードを作成して保存する簡単な方法は、パスワードジェネレーターが内蔵されたKeeperパスワードマネージャーを使用することです。
この機会に、Keeperパスワードマネージャーの30日間の個人版フリートライアルを試してみてはいかがでしょうか。