組織内の重要なアカウントを不適切に共有してしまうと、
不正アクセス禁止法は、日本において不正アクセス行為を規制し、インターネットなどのネットワーク環境の安全を保つための法律です。
正式名称は「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」と言い、インターネットを利用した犯罪に対して法的な規制を設ける目的で制定されたものです。この法律は、ネットワーク上での安全を確保し、不正なアクセスを防ぐために重要な役割を担っています。
しかし、なぜこのような法律があるのにも関わらず、サイバー犯罪者からのサイバー攻撃や不正アクセスは年々増加しており、絶えないのでしょうか?
そこで、不正アクセス禁止法に学びつつ、なぜ不正アクセスがなくならないのか、不正アクセスを対策する方法をご紹介します。
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不正アクセス法の定義例
不正アクセス禁止法は、14条までの項目がありますが、不正アクセスに該当する具体的な行為に関するメインの条項が4つに分けることができます。
そこでどのような行為がこの法律でカバーされているのか簡単にご紹介します。
他人の識別符号を不正に取得する行為の禁止
不正アクセス禁止法の第四条は、他人のIDやパスワードのようなアクセス用の識別情報を不正に取得する行為を厳しく禁止しています。
例えば、組織内の社員メンバーが業務に使用している権限を利用して不正に他人のアカウント情報を不正に取得したり改ざんしたり、フィッシング詐欺を通じて他人のアカウント情報を不正に取得する行為が挙げられます。
不正アクセス行為を助長する行為の禁止
不正アクセス禁止法の第五条は、IDやパスワードなどのアクセス情報を権限のない第三者に提供する行為も、不正アクセスを助長するとして禁止されています。例えば、アクセス権限を持つ役員が権限のない社員にIDやパスワードを渡す行為は、明確な違反例にあたります。
また他人に第三者のログイン情報を無断で伝えたり、ダークウェブ上などのオンラインでこれらの情報を販売する行為も、不正アクセスを助長する行為とみなされ、法律によって厳しく規制されています。
他人の識別符号を不正に保管する行為の禁止
不正アクセス禁止法の第六条は、他人のIDやパスワードを不正に保管する行為も法律で禁止されています。
例えば、不正に取得した他人のログイン情報をパソコンやUSBメモリ、さらには紙に印刷したり、メモ帳やスプレッドシートに保管する行為が含まれます。
どのような形式であっても、利用規約などを取らずに、不正に取得したアクセス情報を保管すること自体が法律違反とされています。
識別符号の入力を不正に要求する行為の禁止
不正アクセス禁止法の第七条は、アクセス管理者になりすまし、IDやパスワードを不正に要求する行為が禁じられています。
例えば、偽のフィッシングサイトを構築し、ダークウェブなどを通して第三者に公開したり、他人の個人情報を不正に取得する目的でフィッシングメールを送付する行為などが含まれます。
不正アクセスの目的とは?
不正アクセスの目的は多岐にわたりますが、以下のようなものが考えられます。
金銭的利益
最も一般的な目的の一つで、クレジットカード情報、銀行口座情報、その他金融情報を盗んでそのまま不正に金銭を引き出したり、ダークウェブなどでログイン情報などを不正に販売することにより直接的な金銭を得ることを目指します。
重要な情報資産の窃盗
企業や個人の機密情報、情報資産、個人データなど、さまざまな形式のデータを盗み出し、これを売買することで利益を得たり、競合他社などが自己の利益のために競争上の優位を図ったりします。
サービスの妨害
不正アクセスし、組織の機密情報などを漏洩させたり、サービスをダウンさせることにより、企業活動を妨害し、企業に損害を与えることを目的とします。
これにより、競争相手を弱体化させたり、身代金を要求することが目的となることもあります。
スパイ活動
政治的、軍事的、経済的な機密情報の中でもトップシークレットな情報を盗み出すことにより、国家や組織が他国や競争相手に対して優位に立つための情報を得ることを目的とします。
このような不正アクセスに使われる戦略として、サイバー犯罪者はAPT攻撃や標的型攻撃といった高度なサイバー攻撃を仕掛けてくることがしばしばあります。
法律があってもなぜ不正アクセスはなくならないのか?
法律がサイバーセキュリティを強化し、不正アクセスを防ぐために制定されてもなお、サイバー犯罪がなくならないのは、サイバー攻撃が巧妙に進化して、どれほどの利益を生み出していることと関係しています。ダークウェブ上などでハッカーがログイン情報を盗んだ後に、第三者に売り払われてしまうこともしばしばあります。
2024 Keeper Securityが発表したインサイトレポート「サイバー攻撃対策の未来:前例のない脅威に備えるITリーダー(The Future of Defense: IT Leaders Brace for Unprecedented Cyber Threat)」では、95%以上のITリーダーがこれまで以上にサイバー攻撃が進化していると述べています。


また、仮想通貨などの匿名性を使って決済できる仕組みなども発展していることから、サイバー犯罪者の追跡が難しいです。
そのため、どんなに厳しい不正アクセス禁止法のような法律が立てられても、不正アクセスはなくならない原因となっています。
そのため、どんなオンラインアカウントでも不正アクセスから守る対策をする必要性があります。
不正アクセスを防ぐ7つの対策方法
ここまで紹介してきた通り、不正アクセスは企業や個人にとって重大な脅威であり、これを効果的に防ぐための対策は必要不可欠です。
そこで、どのようにオンラインアカウントの不正アクセスを防ぐことができるのか対策方法をご紹介します。
1. 強力なパスワードをアカウントに設定
強力なパスワードを設定することは、パスワードで保護されたZipファイルがサイバー攻撃者によって解読されないためにも重要です。
簡単に推測されない、長くて複雑なパスワードを利用しましょう。大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた最低16文字以上のパスワードを設定することを推奨します。
強力なパスワードを作成するための5つのポイントが以下の方法です。
- パスワードは16文字以上にする
- 大文字、小文字、数字、記号を組み合わせて使用する
- 連続した数字や文字を使用しない
- 個人情報(ペットの名前、自宅の住所など)を使用しない
- 他のサービスで利用している同じパスワードを使い回さない
これにより、パスワードの推測やクラッキングが困難になります。このようなパスワードを効率的に作成し管理するためには、パスワードマネージャーの利用を推奨します。パスワードマネージャーは、強力なパスワードを自動的に生成し、それらを安全に保存してくれるツールです。これにより、複雑なパスワードを覚える必要がなくなり、ユーザーは一つの強力なマスターパスワードを記憶しておくだけで済み、同じパスワードを使いまわさないように徹底できます。パスワードマネージャーはまた、定期的なパスワードの変更を促すリマインダー機能を持っているものもあり、セキュリティ維持の手間を軽減します。
2. オンラインアカウントには多要素認証(MFA)を設定
二要素認証(2FA)や多要素認証(MFA)の導入は、多くのサイバー攻撃や不正アクセスに対する重要な防御策の一つです。二要素認証は、ユーザー名とパスワードだけでなく、もう一つの認証手段を加えることでセキュリティを強化します。この追加の認証手段には、SMSやメールによって送られる一時的なコード、認証アプリによって生成されるコード、または物理的なセキュリティキーが含まれます。多くのマルウェアは、盗まれた認証情報を使用してシステムに侵入しますが、2FAが導入されている場合、攻撃者がユーザー名とパスワードを手に入れたとしても、追加の認証手段がなければアクセスは困難になります。これにより、不正アクセスのリスクが大幅に低減されます。
3. フィッシング詐欺の手法を学ぶ
不正アクセスはフィッシング詐欺から被害を受ける可能性があります。
特にフィッシングメールを通じて拡散します。これらのメールは、受信者に正規の組織や個人からのものと見せかけ、添付ファイルの開封やリンクのクリックを促します。不審なメールに警戒することは、フィッシングを通じたマルウェアの感染からの不正アクセスを防ぐ上で非常に重要です。
フィッシングメールを識別するためには、以下の点に注意することが推奨されます。
・メールの送信元を確認する
・不審な点がないか検証する
・予期しない添付ファイルやリンクが含まれている場合は開かない
・メールの文脈や表現に違和感がある場合は何度も確認する
これらの点を徹底して、確認しましょう。
4. ウイルス対策ソフトをインストールする
ウイルス対策ソフトウェアは、あらゆる種類のマルウェアからシステムを保護するための基本的かつ効果的なツールです。ウイルス対策ソフトは、既知のマルウェアのシグネチャ(特徴的なパターン)を基にして悪意あるファイルやプログラムを検出し、隔離または削除することができます。しかし、新しい脅威は絶えず出現しており、ウイルス対策ソフトも定期的な更新を必要とします。最新のマルウェアのシグネチャや挙動を認識し、適切に対応するためには、ソフトウェアのデータベースを常に最新の状態に保つことが重要です。また、ウイルス対策ソフトはリアルタイム保護機能を備えており、システム上でのファイル操作を監視し、悪意のある活動を即座に検出して対処することが可能です。
これにより、不正アクセスを回避しやすくなります。
5. 定期的なデータのバックアップ
不正アクセスによるデータ損害の最大のリスクの一つは、重要な情報の完全な喪失です。
サイバー犯罪者に不正アクセスされ、データ漏洩被害、ランサムウェアなどの被害を受けた時や、その他の予期せぬシステム障害から回復する上で不可欠な対策の一つです。
定期的にデータをバックアップすることで、万が一のデータ損失が発生した場合でも迅速に元の状態に復旧することが可能になります。
6. 公共のWifiを避ける
公共のWifiの利用は手軽で便利ですが、セキュリティ面では注意が必要です。
攻撃者が公共のフリーWifiを通じて、あなたとインターネットの間に入り込み、あなたが送受信するデータを盗み見る中間者攻撃を受ける危険性もあります。
このようなリスクを避けるために、VPN(仮想プライベートネットワーク)を使用することで、通信を暗号化し安全性を高めることができます。
また、銀行アカウントやショッピング決済など大事な情報のやり取りを公共のWifiではアクセスを避けることをおすすめします。
7. サイバーセキュリティについて学ぶ
サイバーセキュリティ教育は、不正アクセスを防ぐための最も基本的かつ重要な手段の一つです。企業や個人がサイバー脅威の性質とそれに対処する方法を理解することは、セキュリティ対策の有効性を大幅に向上させます。このためには、定期的なトレーニングと教育が必要であり、それによって従業員自身が最前線の防衛者として機能するようになります。
サイバーセキュリティを学ぶには、Keeperのような最新のセキュリティ脅威と防御技術に関するブログを読むことも一つの手段です。
なぜなら、サイバー犯罪者は常にフィッシング、マルウェア、ランサムウェアなどのサイバー攻撃も巧妙な手口に進化しています。これらの脅威から保護するためには、どのような兆候を見分け、どのように対応すべきかを理解していなければなりません。
まとめ:Keeperで不正アクセスから守ろう
不正アクセス禁止法のような法律があるのにも関わらず、常に不正アクセスの被害は拡大しており、サイバー攻撃の被害件数も増えています。
そんな中で、効果的なセキュリティ対策の1つとして、Keeperのようなパスワードマネージャーを利用することは、ログイン情報を安全に管理する上で一番効果的な対策です。
あなたのオンラインアカウントは全て安全と言えるでしょうか?
例えば、類似したパスワードを全てのログイン情報に使い回していたり、脆弱なパスワードを利用していたり、メモ帳などでパスワード管理することは不正アクセスの原因にもなります。
Keeperパスワードマネージャーの導入は、個人や企業が直面するサイバーセキュリティの脅威に対処するために簡単かつ強力なソリューションになります。
強力かつユニークなパスワードを各アカウントごとに簡単に自動で生成し、管理することをサポートしてくれ、MFA認証をサポートしており、セキュリティ層を追加することでアカウントの保護をさらに強化が可能になります。
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