組織内の重要なアカウントを不適切に共有してしまうと、
セッションジャックから身を守るためには、ウェブサイトを保持する管理人や企業がセッションに関するセキュリティ対策はもちろん欠かせません。
セッションハイジャックとは、インターネット上での通信セッションを不正に乗っ取り、そのセッションを利用してユーザーになりすまして情報を盗み出す攻撃のことです。
セッションハイジャックは、利用者のログイン情報を直接盗み取るわけではなく、ウェブサイトによって割り当てられるセッションIDを不正に使用します。
この記事では、セッションハイジャックの仕組みや、セッションジャックの手口、その被害の危険性を理解し、組織と個人がそれぞれ対策する方法をご紹介します。
ログイン情報を簡単、安全、効率的に管理しませんか?
Keeperの14日間の無料体験でその利便性をお試しください。
セッションハイジャックとは?
セッションハイジャックとは、サイバー攻撃の一種で、攻撃者がユーザーがWebサイトとの間でやり取りしているセッションIDを盗み出し、そのIDを悪用してユーザーになりすまし行動を行う手法です。通常、Webサイトはユーザーがログインする際に一意のセッションIDを発行し、そのIDを使ってユーザーの認証状態を管理します。セッションハイジャックが成功すると、攻撃者はユーザーがWebサイト上で持つ権限を不正に利用できるようになり、プライベートな情報を盗み出したり、ユーザーになりすまして行動したりすることが可能になります。この攻撃は、ユーザーのログイン情報自体を盗むのではなく、セッションを通じて既に認証されたユーザーの身分を不正に利用する点が特徴です。
セッションとは?
セッションとは、インターネットを使用してウェブサイトやアプリケーションにアクセスするユーザーとサーバー間の対話や通信の一連の状態を指します。
ネット銀行にアクセスした場合の一般的なセッションの流れになります。
- ログイン(アカウントへのサインイン)
- 口座残高の確認
- 送金または支払いの実行
- 定期預金や投資の管理
- 個人情報や設定の更新
- 明細書の閲覧またはダウンロード
- ログアウトする
このログインからログアウトに至るまでの行動全体が、セッションと呼ばれる一つのプロセスになります。
セッションはユーザーが自らログアウトするか設定された一定の時間が経過すると自動的に終了するようになっています。
中間者攻撃(Man-in-the-Middle Attack、MitM攻撃)とセッションハイジャックの違い
中間者攻撃(Man-in-the-Middle Attack、MitM攻撃)とセッションハイジャックは、どちらもサイバーセキュリティの脅威として知られていますが、実行方法と目的において異なります。ただし、これら二つの攻撃手法は密接に関連しており、一方が他方を助長する場合があります。
中間者攻撃(MitM攻撃)とは
中間者攻撃は、攻撃者が二つの当事者間の通信を秘密裏に傍受、または改ざんする攻撃手法です。攻撃者は通信をリレーし、送信される情報をキャプチャまたは変更することで、双方の当事者が直接通信していると思わせます。この攻撃の目的は、機密情報を盗み出す、不正な情報を挿入する、または通信を妨害することにあります。
セッションハイジャックとは
セッションハイジャックは、攻撃者がユーザーのセッションIDを不正に取得し、そのユーザーに成りすますことで、機密情報にアクセスしたり、不正な操作を行ったりする攻撃手法です。これは、ユーザーが認証後にウェブサイトとやり取りする際に用いられるセッションを乗っ取ることによって行われます。
中間者攻撃とセッションハイジャックはよく似ており密接な関係性を持っています。特に、中間者攻撃はセッションハイジャックを行うための手段として利用されることがあります。例えば、攻撃者がMitM攻撃を通じて通信を傍受することで、ユーザーのセッションIDを盗み出し、そのIDを利用してセッションハイジャックを実行することが可能になります。
セッションハイジャックの仕組みとは
セッションハイジャックは、攻撃者が不正にユーザーのセッションIDに手を伸ばした時点で開始されます。このアクセスは通常、ユーザーのセッションクッキーを盗んだり、ユーザーに悪意あるリンクをクリックさせることでセッションIDを予測して行われます。
セッションハイジャックの流れとしては以下の3段階になります。
・セッションIDの盗取
・セッションIDの利用
・悪用
攻撃者がセッションIDを乗っ取り、ユーザーがオンラインサービスにログインしている間に、攻撃者はそのセッションを乗っ取ることが可能になります。これは、正規のユーザーのセッションIDを攻撃者自身のブラウザに設定することで実現され、結果としてサービス側は攻撃者を正規ユーザーと誤認します。
この状態で、攻撃者は正規のユーザーになりすまして、そのユーザーが通常アクセスできるあらゆる情報を閲覧したり、許可された任意の操作を行うことができます。特にユーザーがシングルサインオン(SSO)を利用している場合、攻撃者はこの方法で複数のアプリケーションに不正にアクセスし、広範囲にわたるセキュリティ上の問題を引き起こす可能性があります。
セッションハイジャックによる被害の例
セッションハイジャックは、攻撃者がユーザーのセッションIDを不正に取得し、そのユーザーに成りすますことでさまざまな被害を引き起こす危険性があります。ここでは、セッションハイジャックによって生じうる具体的な被害の例をご紹介します。
機密情報・個人情報が盗まれる
攻撃者がセッションハイジャックを成功させると、ユーザーのアカウントにアクセスできるようになります。これにより、ユーザーのメールアドレス、住所、電話番号などの個人情報や、会社の機密文書、顧客情報などの機密情報が盗まれる可能性があります。これらの情報は、さらなるサイバー攻撃のために悪用され、二次被害に繋がることがあります。
サーバーに不正侵入される
セッションハイジャックによって管理者権限を持つユーザーのセッションが乗っ取られた場合、攻撃者はその権限を利用してサーバーに不正侵入することができます。これにより、サーバー上のデータが改ざんするSQLインジェクションやマルウェアが仕込まれたりする恐れがあります。
登録情報が漏洩したり改ざんされたりする
ユーザーのアカウントに不正アクセスされると、登録されている情報が漏洩するだけでなく、攻撃者によって改ざんされる可能性もあります。例えば、配送先住所や連絡先情報が勝手に変更され、物品の不正注文などに悪用されることがあります。
クレジットカードを不正に利用される
オンラインショッピングサイトなどでクレジットカード情報を登録しているユーザーがセッションハイジャックの被害に遭うと、そのクレジットカード情報を盗まれ、不正に利用される恐れがあります。これにより、被害者には大きな経済的損害が発生することがあります。
ネット銀行にて不正送金される
オンラインバンキングのセッションがハイジャックされた場合、攻撃者はユーザーに成りすまして口座から資金を不正に送金することが可能になります。オンラインバンキングはセキュリティとても強力なので、このような被害が起こることは少ないですが、セッションハイジャックによって被害を被る可能性があります。
個人:セッションハイジャックを防ぐ対策と方法
個人がセッションハイジャックから身を守るためには、日頃から以下のような予防措置を講じることが重要です。
各アカウントに強力なパスワードの利用
強力なパスワードは、セッションハイジャックだけでなく、あらゆる種類のサイバー攻撃に対する有効的な対策です。各サービスごとに同じパスワードの利用を避けて、異なるパスワードを使用することを心がけましょう。パスワードを強化し、セキュリティを高めるためには、長くて複雑なパスワードを設定することが肝心です。理想的なパスワードは、文字、数字、記号を組み合わせたもので、少なくとも16文字以上の長さが推奨されます。また、推測しにくいランダムなパスワードを使用することで、ブルートフォース攻撃や辞書攻撃による突破を困難にします。
また、パスワードマネージャーを使用することで、強力なパスワードを生成・管理するのを支援してくれるのでとても有効です。
HTTPのサイトに接続しない
HTTPSプロトコルを使用するサイトは、データを暗号化して通信するため、より安全です。HTTPを使用するサイトではデータが暗号化されずに送信されるため、攻撃者による情報の傍受が可能となります。そのため、個人情報や機密データを扱う際は、ウェブサイトのアドレスが「https://」で始まっていることを確認し、不安全な通信を避けるべきです。
公共のWifiを使用しない
公共のWifiネットワークはセキュリティが低いことが多く、中間者攻撃(MitM攻撃)によるセッションハイジャックのリスクが高まります。可能であれば、公共のWifiの使用は避け、信頼できるプライベートなネットワーク接続を使用するか、VPN(仮想プライベートネットワーク)を活用して通信を暗号化することが推奨されます。
二要素認証(2FA)や多要素認証(MFA)の導入
二要素認証(2FA)や多要素認証(MFA)の導入は、セッションハイジャくによってあなたのアカウントが攻撃された時に重要な対策の一つになります。二要素認証は、ユーザー名とパスワードだけでなく、もう一つの認証手段を加えることでセキュリティを強化します。この追加の認証手段には、SMSやメールによって送られる一時的なコード、認証アプリによって生成されるコード、または物理的なセキュリティキーが含まれます。2FAが導入されている場合、攻撃者がユーザー名とパスワードを手に入れたとしても、追加の認証手段がなければアクセスは困難になります。これにより、不正アクセスのリスクが大幅に低減されます。
組織:セッションハイジャックを防ぐ対策と方法
組織がセッションハイジャックの脅威から自身を守るためには、セキュリティ対策を徹底する必要があります。セッションハイジャックは、不正アクセスにより機密情報が盗まれるリスクを高めるため、特に重視すべきセキュリティの側面です。以下に、組織が取り組むべき主な対策を示します。
HTTPSの強制
全サイトでHTTPSを強制的に使用し、ウェブサイトとユーザー間でやり取りされるすべてのデータを暗号化します。これにより、ログイン情報やセッションIDなどの機密データが攻撃者に傍受されることを防ぎ、より高いレベルの保護を提供します。さらに、HSTS(HTTP Strict Transport Security)をウェブサーバーに設定することで、ブラウザがサイトと通信する際に常にHTTPSを使用するよう強制することができます。HSTSの利用は、中間者攻撃による暗号化されていない接続への強制ダウングレード攻撃を効果的に防ぐための重要な手段となります。
セッション管理の強化
セッション管理のプロセスを強化することは、Webサイトの管理者や運営している組織にとってはとても大切です。
セッション管理の強化は、不正アクセスやセッションハイジャックのリスクを低減できます。セッションIDの生成には予測が困難なランダムな値を使用や、セッションの有効期間を適切に設定することが重要です。また、ログイン後にセッションIDを再発行することで、セッション固定攻撃への脆弱性を排除します。セッションクッキーには「HttpOnly」と「Secure」の属性を設定して、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃を通じたセッションIDの盗用を低減させるのにも有効です。
組織のセキュリティを強化
ウェブアプリケーションとネットワークのセキュリティ設定を継続的に見直し、強化することが求められます。具体的には、組織内のファイアウォールや侵入検知システムの最適化、ソフトウェアとシステムの定期的な更新とパッチ適用、強力なパスワードポリシーや多要素認証の実施などが含まれます。また、従業員へのセキュリティ意識向上トレーニングを定期的に行い、フィッシング詐欺や危険なウェブサイトの使用を避けるための知識を提供します。
まとめ:セッションハイジャックから組織と自分を守ろう
セッションハイジャックは、インターネット上での通信セッションを不正に乗っ取り、悪用するという企業も個人にも影響を与えるサイバー脅威です。
組織も個人もそれぞれ適切な対処をすることで、セッションハイジャックからの攻撃を事前に予防することができます。
Keepeのパスワードマネージャーを利用することは、セッションハイジャックをはじめとする多くのサイバー攻撃から保護する上で、非常に効果的な手段の一つです。
Keeperを使用すると、複雑で強力なパスワードを生成しサポートし、安全に管理することができます。これにより、セッションハイジャックの起点となり得るパスワードの弱点を排除することができます。
まずは、セッションハイジャックをはじめとしてサイバー攻撃の予防にKeeperパスワードマネージャーが組織と個人を守るのにどのように役立つのか試してみてはいかがでしょうか。
この機会にKeeperパスワードマネージャーの30日間の個人版フリートライアルまたは、14日間のビジネスプランのフリートライアルを試してみてはいかがでしょうか。