迷惑電話が頻繁にかかってくる原因には、自分の電話番号
なりすまし電話は、通常、詐欺師やサイバー犯罪者が発信者ID情報を偽装して、自分の身元を隠すものです。なりすまし電話は、サイバー犯罪者の居場所を偽装し、あたかも特定の場所からの電話であるかのように見せかけることもできます。なりすまし電話では、発信者は別の人物になりすまして通信相手を信じ込ませ、個人情報を提供させます。被害者が個人情報を渡してしまうと、詐欺師やサイバー犯罪者はその情報を使って金銭を盗んだり、IDを盗んだりすることさえあります。
ここでは、なりすまし電話の仕組みと見分け方、なりすまし電話から身を守る方法について説明します。
なりすまし電話の仕組みと手口とは
なりすまし電話には、発信者によるなりすましサービスの利用、VoIPスプーフィング、オレンジボックスの 3 つの異なる手口があります。
なりすましサービス
なりすましサービスは、発信者がお金を払うことで、自分の番号を実際とは異なるように見せかけるものです。通常、なりすましサービスは、プリペイド電話カードのように機能します。以下が、なりすましサービスの仕組みです。
- 発信者は、なりすましサービスの料金を前払いします。
- 発信者には、電話をかける際に使用するPIN番号が与えられます。
- 発信者は、なりすましサービス業者から提供された番号に電話をかけます。
- 発信者は、与えられたPINを入力します。
- 発信者は、かけたい電話番号を入力します。
- 発信者は、発信者IDとして表示させたい番号や名前を入力します。
VoIPスプーフィング
ボイスオーバー・インターネットプロトコル(VoIP)もまた、電話を偽装する際に使われるサービスです。詐欺師やサイバー犯罪者がなりすまし電話をかける際に利用するVoIPプロバイダーには、様々なものがあります。VoIPスプーフィングが使われると、発信者は、受信者の端末に表示される名前と番号を変更することができます。
オレンジボックス
オレンジボックスは、詐欺師やサイバー犯罪者が電話を偽装するために使用する、もう1つの方法です。この方法では、発信者は、発信者ID信号を傍受して別の番号に置き換えることができる、オレンジボックスと呼ばれるソフトウェアまたはハードウェアを使用します。受信者に電話がかかってくると、実際の発信者IDとは別の発信者IDが表示されることになります。
詐欺師がどのように電話番号を偽装するのか?
詐欺師が電話番号を偽装する方法は、主に「番号のスプーフィング」と呼ばれる技術を使用しています。この方法では、詐欺師は特別なソフトウェアやサービスを利用して、発信者IDに偽の電話番号を表示させます。このようにして、彼らは自分の実際の番号を隠し、信頼できる組織や個人を装うことができます。
例えば、銀行や警察、政府、さらには知り合いの番号を装うことができます。これにより、被害者は信頼して通話に応じやすくなります。また、詐欺師は通常、電話番号を頻繁に変更して、追跡や特定を避けます。
このような詐欺は「オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」といった特定の種類の詐欺でよく使用されています。重要なのは、不審な電話には注意し、個人情報や金銭を渡さないことです。また、不明な番号からの電話には慎重に対応することが大切です。
なりすまし電話詐欺の例
なりすまし電話詐欺の典型的な例をいくつかご紹介します。これらの電話を使った詐欺電話は、古典的なものでもありますが、未だに詐欺被害を出しています。
オレオレ詐欺
オレオレ詐欺はなりすましの詐欺電話の中でも、最も有名なのではないでしょうか。
例えば、「おばあちゃん、僕だけど、交通事故を起こしてしまって、今すぐお金が必要なんだ」という電話が来た場合、詐欺師は続いて、「病院にいる」「すぐに手術が必要」「警察に捕まってしまう」などと言い、緊急性を強調します。これにより、被害者が落ち着いて考える時間を奪い、感情に訴えることでお金を送らせようとします。
また、詐欺師はしばしば「誰にも言わないでほしい」「秘密にしてほしい」といった言葉を使って、被害者が他人に相談するのを防ぎます。このようにして、詐欺師は被害者を孤立させ、より簡単に騙すことができる状況を作り出します。
さらに、詐欺師は具体的な送金方法を指示します。これには、銀行口座への振り込みや、現金書留、さらにはデジタル決済サービスを使用することも含まれます。詐欺師はこの過程で、可能な限り迅速に行動するように被害者に圧力をかけ続けます。
振り込め詐欺
詐欺師が警察官や銀行員を装い、被害者の銀行口座が犯罪に利用されていると偽り、安全のために別の口座へお金を移すよう指示します。例えば、「あなたの口座が犯罪に使われています。すぐにお金をこちらの安全な口座に移してください」といった指示を出します。
架空請求詐欺
架空請求詐欺では、詐欺師は被害者に連絡を取り、彼らが未払いの料金や登録料、更新料などがあると偽ります。これらの請求は、実際には存在しないサービスや商品に関連していることが多く、被害者はそのような取引を覚えていないことが普通です。
詐欺師は、「支払いが遅れていると法的な措置を取られる可能性がある」「信用情報に影響が出る」などと脅迫めいた言葉を使って、被害者に圧力をかけます。このような言葉により、被害者は不安に駆られ、迅速に支払いを済ませようとする場合があります。
また、詐欺師はしばしば、公的機関や有名企業を名乗り、信頼性を偽装します。彼らは公式に見える文書や電子メール、ウェブサイトを使って、その請求が正当であるかのように見せかけます。
なりすまし電話の見分け方
なりすまし電話で注意すべき兆候をいくつかご紹介します。
緊急を装う
詐欺師がなりすまし電話を利用する際、主な目的は、被害者にセンシティブな情報を提供させ、悪意のある目的のための使用を可能にすることです。このため、犯罪者がテクニカルサポート詐欺や税金詐欺を使用し、でっち上げたストーリーを被害者に信じさせようとすることがよくあります。これは、プリテキスティング手法とも呼ばれています。
詐欺師は、なりすまし電話をかける際に緊急を装うことで、被害者が深く考えずに、すぐに行動を取るように仕向けます。緊急を装うことは、詐欺師がよく使う作戦で、フィッシング詐欺でさえも使われる作戦です。
個人情報の提供要求
IRS、自分と取り引きのある会社、または知り合いだと名乗る相手から突然の電話がかかってきて、個人的な質問をしてくる場合、それらを疑わしいものだと考えて答えないことです。IRS や企業の多くは、電話で個人情報の確認を求めることは決してありません。やりとりを始めたのが自分ではない場合は、電話やメール、テキストメッセージを介した個人情報の提供要求は避けることが最善です。
表示名が登録連絡先の情報と一致しない
詐欺師が電話を偽装する際、そのなりすまし電話が、ターゲットと関わりのある会社、または友人や家族など知り合いからのものであるように見せかけようとします。しかし、詐欺師にはできないことは、ターゲットがどのように特定の個人の連絡先を登録しているのかを確認することです。友人だと称する相手から電話がかかってきて、その連絡先情報が自分が保存した内容と一致しない場合、その電話は偽装されたものだと言えるため、なりすまし電話の認識がかなり簡単になります。
あらかじめ録音されたメッセージ
詐欺電話やなりすまし電話の多くは、詐欺師の実際の声で身元が割れないようにするため、ロボコール技術を使用して電話をかけてきます。知っている電話番号や連絡先から電話がかかってきて、その音声が事前に録音されたメッセージである場合、その電話は偽装された可能性が極めて高いと言えます。
なりすまし電話から身を守る方法
ここでは、なりすまし電話の被害に遭わないようにする方法をご紹介します。
知らない番号からの電話には出ない
サイバーセキュリティのベストプラクティスは、心当たりのない番号からの電話には決して応じないことです。電話がかかってくることが予想される場合は、連絡先情報を前もって保存し、電話をかけてくる相手を把握することが最善です。
なりすまし電話のせいで、正規の電話を認識しにくくなる場合がありますが、安全を確保するためにできることは、電話を受けたときに表示される連絡先名と、通話先の相手に細心の注意を払うことです。
番号をリダイヤルし、正当な発信者と会話していることを確かめる
応答した通話がなりすまし電話かどうか確信がない場合は、電話を切って、相手が電話をかけてきていると主張する正規の電話番号にリダイアルすると良いでしょう。たとえば、取引のある銀行から電話を受けた場合、電話を切って、銀行の正規のウェブサイトに表示されている番号に電話をかけ直します。
知らない電話番号からの着信を消音にし、拒否する
なりすまし電話から身を守るもう 1 つの方法は、知らない番号からの着信音は鳴らないように設定し、拒否することです。なりすまし電話を受けるたびに番号をブロックし、相手が 2 度と電話をかけてこないようにします。
着信拒否サービスに登録することもできます。着信拒否サービスは、データベースにあるスパム番号を拒否し、着信しないようにします。ご利用の電話会社が着信拒否サービスを提供しているかどうか、または Truecaller や Roboshield などのサードパーティのサービスを購入できるかどうかを確認することも可能です。一部の着信拒否サービスは、他のサービスよりもデータベースの更新が速いため、購入前に調べておくことをお勧めします。
誰かが自分の電話番号を偽装することはあるのか?
はい。サイバー犯罪者や他の人があなたの電話番号を偽装することは可能です。サイバー犯罪者が電話番号を偽装する際、番号をランダムに選んで実行するため、あなたの番号が選ばれて偽装される可能性は常にあります。
一般的に、電話番号が偽装されたことを示す兆候には、以下のようなものがあります。
● 知らない電話番号からテキストメッセージや電話がきて、自分の身元を問い合わせたり、電話やメッセージ発信をやめるように言われたりする。
● 電話の着信が自分の電話番号として表示される。
自分の電話番号が偽装された場合の対処方法
自分の電話番号が偽装されていることがわかったら、以下の手順を実行することができます。
- 知らない番号を一時的に消音する:知らない番号から電話やテキストメッセージを受信することがあるため、電話の設定で、そのような番号からの着信を鳴らないようにすることができます。iPhoneの場合、[設定] > [電話] > [不明な発信者を消音] と選択して、これを実行できます。。Androidの場合、「電話」アプリを開き、[設定] > [ブロック中の電話番号] > [不明] オプションをオンにすることで、これを実行できます。
- 新しい留守番電話メッセージを録音する:知らない発信者を消音にするため、発信者は留守番電話につなげられます。留守番電話を録音して相手に状況を伝え、自分の電話番号から電話やメッセージが届くのは自分のせいではないことを知らせます。留守番電話が適切に保護されていない場合、サイバー犯罪者にハッキングされる可能性があるため、必ず PIN を使用して留守番電話メッセージをパスワードで保護してください。
- FCCに通報する:上記の手順を踏んだら、米国連邦通信委員会(FCC)に通報する必要もあります。悪意のある用途で電話を偽装することは米国内では違法であるため、FCC はなりすまし電話に関する消費者からの苦情を調査しています。
まとめ:なりすまし電話詐欺の対策をしよう
近年、増え続けている電話によるなりすまし詐欺の被害をご紹介しました。まずは、様々な手口や仕組みを知ることで、適切な対策を立てることができます。
また、電話番号を偽装することもあり、より手口が巧妙になっています。あなたの記録が表示されているのが、本物の銀行や警察、政府、知人と一致しても、その口調や怪しい兆候がみられた場合は警戒しましょう。
詐欺電話から身を守る方法については、こちらの記事で紹介しているのであわせてご覧ください。
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