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VPNは、インターネット上の通信を暗号化して、プライベートかつ安全な通信を可能にする技術です。
近年では、新しい働き方を推奨し、テレワークやハイブリッドなどを導入した会社も増えました。
社外から社内のネットワークにアクセスする場合や、企業の本社と支社などの拠点間の通信をする際などに、暗号化された通信は組織の機密情報を守る上で重要な役目を果たします。
しかしながら、VPNは適切な管理やサイバーセキュリティのベストプラクティスに従っていない場合、ランサムウェアなどのサイバー脅威の入り口になり、とても脆弱です。
そこで、このブログでは、VPNの仕組みや、主要なVPNの脆弱性、そして脆弱性を保護するための方法をご紹介します。
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VPNの仕組みとは
VPN(仮想プライベートネットワーク)の仕組みは、インターネット上に安全な通信経路を作り出す暗号化通信を可能にします。
VPNの核心は、暗号化されたトンネルを通じてデータを送受信する点にあります。ユーザーがVPNクライアントを起動すると、そのデバイスはVPNサーバーとの間に暗号化された接続を確立します。この接続は、データを保護するための仮想的なトンネルとして機能します。ユーザーが生成するすべてのインターネットトラフィックは、このトンネルを通過して送信されます。
このプロセスでは、ユーザーのデータは暗号化されてから送信されるため、途中で傍受されたとしても、その内容を解読することは極めて困難です。データはVPNサーバーに到達した後、復号化され、目的のインターネットリソースに転送されます。同様に、インターネットからの応答もVPNサーバーを経由して暗号化され、安全に通信をユーザーのデバイスに届けられます。
6つの主要なVPNのセキュリティ脆弱性とは
VPNのセキュリティ脆弱性とは、VPNが提供する通信のプライバシーやセキュリティを損なう可能性がある弱点や欠陥を指します。VPNの脆弱性を悪用したランサムウェア攻撃は、近年増加しており、多くのインシデントが報告されているため、これらのリスクには十分な注意が必要です。
そのため、どのような脆弱性があるか主な脆弱性をご紹介します。
1 VPNの設定ミスによる脆弱性
VPNの設定ミスは、セキュリティを大きく損なう可能性があります。例えば、デフォルトのパスワードが変更されていない場合、攻撃者にとっては簡単にパスワードが推測可能な入口が提供されます。また、不要なポートが開放されていると、これが攻撃者の侵入経路となり得ます。アクセス制御リスト(ACL)の設定ミスは、認証されていないユーザーが機密情報にアクセスできる状況を作り出す可能性があります。
2 VPN認証機能の脆弱性
VPNシステムの認証プロセスに欠陥があると、不正アクセスのリスクが著しく高まります。
例えば、弱いパスワードポリシーは、ブルートフォース攻撃や辞書攻撃によるセキュリティリスクが高まります。
また、多要素認証(MFA)を設定していない場合は、単一の認証要素が侵害された場合に、システム全体のセキュリティが脅かされる原因となります。
不適切なセッション管理(長すぎるセッション有効期間や、安全でないセッションIDの使用)は、セッションハイジャック攻撃のリスクを増大させ、攻撃者がシステム内で正当なユーザーになりすます可能性を高めます。
3 VPNプロバイダが提供するソフトウェアの脆弱性
VPNプロバイダが提供しているソフトウェアやハードウェアにおける脆弱性は、しばしば見過ごされがちですが、非常に危険なセキュリティホールを生み出す可能性があります。
例えば、バッファオーバーフローは、攻撃者がシステムに対する完全な制御権を取得するために利用されることがあります。また、メモリリークは、システムのリソースを徐々に消耗させ、最終的にはシステムダウンや予期せぬ動作を引き起こす原因となります。
そのため、VPNプロバイダが提供するソフトウェアは更新パッチなどが出たらすぐにアップデートすることが大切になります。
4 VPNから侵入後の権限拡大
VPNが一度侵入されると、攻撃者はネットワーク内で水平展開を試みることがあります。これは、初期に侵入後、初期のアクセス権限を基に権限を昇格させ、重要なデータやシステムへのアクセスを試みます。このプロセスは、攻撃の範囲を広げるための重要なステップです。
さらに、攻撃者はVPNを通じて内部のファイルサーバーやデータベースにアクセスし、機密情報を盗むリスクがあります。企業や組織にとって、こうした内部リソースへの不正アクセスは深刻な脅威となります。
5 暗号化プロトコルの脆弱性
VPNプロトコルの設計上の欠陥は、ネットワーク全体のセキュリティに重大な影響を与えます。例えば、非常に古い暗号化のプロトコルを利用している場合は、現代のコンピューティングパワーで容易に解読可能です。
これに対し、OpenVPNやIKEv2などの新しいプロトコルも、適切に実装されなければ脆弱性が生じる可能性があります。特に、セッションキーの管理が不十分であると、通信の傍受や改ざんが可能になり、最悪の場合、完全な通信解読が行われることもあります。
6 侵入後の侵害追跡機能の脆弱性
多くのVPNは、侵害追跡機能が不十分である場合があります。
侵入検知システムを導入していなかったり、ネットワークのセグメントがされていないと、攻撃者がシステム内で自由に活動し、水平展開し、ランサムウェアなどのサイバー脅威を展開するまでの間に発見されないことが多いです。
VPNを安全に保護する方法
VPNは、組織内の通信を保護するための強力なツールですが、VPNだけに頼らずあらゆる角度からセキュリティ保護することが大切になります。
ここでは、VPNのセキュリティを強化しながら、安全にセキュリティを保持するTipsをご紹介します。
1 従業員のソフトウェアを最新の状態に保つ
VPNのセキュリティを保つためには、従業員が使用するソフトウェアを常に最新の状態に保つことが重要です。
ソフトウェアの更新には、セキュリティパッチやバグ修正が含まれており、新たに発見された脆弱性が修正されます。特にVPNクライアントや関連するアプリケーションの更新を怠ると、攻撃者が既知の脆弱性を利用して侵入するリスクが高まります。自動更新の設定や定期的なソフトウェアのバージョン確認を行い、セキュリティの維持に努めることが大切です。
2 脆弱なクレデンシャルを利用しない
VPNのセキュリティを保つためには、デフォルトのクレデンシャル情報を避け、強力かつ安全なクレデンシャル管理が不可欠です。
簡単に推測されない、長くて複雑なパスワードを利用しましょう。大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた最低16文字以上のパスワードを設定することを推奨します。これにより、パスワードの推測やクラッキングが困難になります。
そのために、パスワードマネージャーに投資することは、企業のセキュリティを強化するために非常に有効です。
たとえば、Keeperのようなパスワードマネージャーを利用することは、各従業員が強力でユニークなパスワードを自動生成し、各アカウントに対して別々のパスワードを設定することが容易になり、パスワードの使い回しや脆弱なパスワードの利用によるパスワード攻撃によるVPNを悪用した入り口を防ぐことができます。
3 MFAを設定する
VPNクライアントに多要素認証(MFA)が利用可能な場合には、設定することで、VPNのセキュリティを大幅に強化できます。MFAは、ユーザーがVPNにアクセスする際に、パスワードに加えて、追加の認証要素である、追加のSMS認証や認証アプリなどを要求します。
これにより、パスワードが漏洩した場合でも、追加の認証要素がなければアクセスできないため、セキュリティが向上します。MFAを設定することで、VPN接続のセキュリティを確保し、不正アクセスのリスクを大幅に減少させることができます。
4 サイバーセキュリティソリューションに投資する
VPNは、本来であれば、社内のネットワークにアクセスする場合や、企業の本社と支社などの拠点間の通信を安全に暗号化してくれる技術ですが、その脆弱性を狙われることによって弱点になります。
VPNのセキュリティを確保するためには、適切なサイバーセキュリティソリューションへの投資が必要です。ファイアウォール、侵入検知システム(IDS)、侵入防止システム(IPS)、エンドポイント保護ソリューションなどのツールを導入することで、VPNの周辺環境を保護し、攻撃者の侵入を防ぐことができます。
それだけでなく、代替の1つとして、リモートブラウザ分離を利用することによって、VPNなしでも安全なブラウザ環境で、あらかじめ許可されたURLリストへのアクセスするなどの通信が可能になります。
5 ネットワークをセグメント化し、最小特権アクセスの強化を強制
ネットワークセグメント化と最小特権アクセスの原則を組み合わせることで、組織内のセキュリティを大幅に強化できます。
最小特権アクセスの原則に従い、VPNの管理者やユーザーには必要最低限のアクセス権のみを付与します。これにより、万が一不正アクセスが発生した場合でも被害を最小限に抑えることができます。定期的なアクセス権の見直しを行い、不要なアクセス権を持つユーザーがいないかをチェックすることが重要です。
また、役割ベースのアクセス制御(RBAC)を活用し、ユーザーの役割に基づいてアクセス権を割り当てることで、管理をより効率的に行えます。それだけでなく、ネットワークセグメント化は、攻撃者が不正に侵入した後にネットワーク内で水平展開するのを防ぐための有効な手段です。
重要なデータやシステムを含むセグメントと、一般ユーザーが利用するセグメントを分離し、アクセス制御リストを使用してセグメント間の通信を制限することで、不要なアクセスを防ぐことできます。
6 従業員のセキュリティ教育を実施
VPNの安全性を確保するためには、従業員に対するセキュリティ教育が欠かせません。
従業員がフィッシング攻撃やマルウェアのリスクを理解し、適切なセキュリティ対策を講じることで、VPNの利用に伴うリスクを軽減できます。
例えば、VPNの認証情報を盗むために、フィッシング詐欺と一緒に合わせて、ソーシャルエンジニアリング攻撃が使われたりもします。これを防ぐためには、従業員の教育が欠かせません。
フィッシングメールや偽のウェブサイトの見分け方、疑わしいリンクや添付ファイルをクリックしないことなど、具体的な事例を交えながらトレーニングを実施することが重要です。
7 フィッシング詐欺から守る方法を学ぶ
フィッシング詐欺は、ユーザーの機密情報を盗み取るために、偽のウェブサイトやメールを使って行われるサイバー攻撃です。従業員がフィッシング詐欺に引っかかると、VPNの資格情報が漏洩し、攻撃者がネットワークに不正にアクセスするリスクが高まります。
フィッシング詐欺から身を守る最善の方法は、それらを発見する方法を学ぶことです。 サイバー犯罪者は、AIを活用してフィッシング詐欺を発見しにくくしてきましたが、それでも私たちが探すことができる主要な危険信号がいくつかあります。 最も一般的な危険信号をいくつかご紹介します。
- 個人情報(クレジットカード番号、ログイン認証情報など)の提供を求められる
- リンクや添付ファイルのクリックを促される
- あまりにも良すぎると思われるオファー
- 指示に従わないと、深刻な結果がもたらされるという脅す文章
まとめ:VPNの脆弱性を保護しよう
VPNは、データの保護やプライバシーの確保してくれるツールですが、その脆弱性を狙ったサイバー犯罪者がいることを忘れてはなりません。
そのため、VPNを安全に保護して利用する対策は欠かせません。
先ほども紹介した通り、ソフトウェアを常に最新の状態に保ち、多要素認証(MFA)を設定することや、脆弱なクレデンシャルを使わないといった基本的なサイバーセキュリティのベストプラクティスは依然として有効です。
また、サイバーセキュリティソリューションに投資し、従業員に対してセキュリティ教育を実施することで、あらゆる側面からVPNの脆弱性に対する脅威を減らすことが重要です。
脆弱なログイン情報は、不正アクセスにも繋がります。
パスワードマネージャーで強力なパスワードを作成して、パスワードを忘れたなどという面倒な作業も減り効率的に管理できるようになります。
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