ゼロデイ攻撃から自分や自分の組織、企業を守るためには、組織内のセキュリティを向上させることが不可欠です。
情報処理推進機構(IPA)が発表している「情報セキュリティ10大脅威 2024」を見ると、ゼロデイ攻撃は、2023年と比べてみると一つ順位を上げ、5位にランクインしているサイバー脅威です。
しかし、どのように企業や組織内のセキュリティを向上させていくべきなのか、わかりませんよね?
そこで、このブログでは、ゼロデイ攻撃とは、ゼロデイ攻撃の原因を言及し、企業や組織ができるゼロデイ攻撃から身を守る対策と方法をご紹介します。
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ゼロデイ攻撃とは?
ゼロデイ攻撃(Zero-day attack)とは、ソフトウェアの未知の脆弱性を悪用するサイバー攻撃です。この「ゼロデイ」という用語は、その脆弱性が公に知られる前、つまり開発者が対策を施す「ゼロ日目」に攻撃が行われることから名付けられました。
ソフトウェアやハードウェアの脆弱性を利用して攻撃を行う手法と知られるサイバー攻撃です。特に、その脆弱性がまだベンダーや開発者によって発見されておらず、一般には知られていない状態で攻撃が行われることが特徴です。
ゼロデイ攻撃の仕組みとは?
ゼロデイ攻撃の仕組みを以下のステップで説明します。
1. 脆弱性の発見
攻撃者はソフトウェアやシステムのコードを解析し、セキュリティ上の欠陥や脆弱性を探します。この脆弱性は、開発者やセキュリティ研究者にはまだ認識されていないものです。
2. 攻撃コードの開発
脆弱性が見つかると、攻撃者はその脆弱性を悪用するためのコードを開発します。このコードは、権限の昇格、データの盗難、システムの制御など、様々な悪意のある活動を可能にします。
3. 攻撃の実行
攻撃コードが準備されたら、攻撃者はそれを使用してターゲットのシステムに侵入します。侵入方法は、フィッシングメール、マルウェアが含まれたドキュメント、ウェブサイトの脆弱性を悪用するなど多岐にわたります。
4. 検出と対策の遅延
ゼロデイ脆弱性は未知であるため、通常のセキュリティソフトウェアでは検出が困難です。このため、攻撃が発見され、修正パッチが開発され、適用されるまでの間、攻撃者は自由に悪意のある活動を行うことができます。
ゼロデイ攻撃はその未知性と予測不可能性から、非常に危険なサイバー攻撃の手法とされています。
ゼロデイ攻撃が与える悪影響とは?
ゼロデイ攻撃は、セキュリティ対策がまだ施されていない脆弱性を悪用するため、検知するのが困難な特性を持つため危険です。これにより、企業や組織は様々な形での被害に遭遇する可能性があります。
ゼロデイ攻撃を受けると以下のような被害を受ける可能性があります。
マルウェア感染
ゼロデイ脆弱性を利用した攻撃の一般的な目的は、標的のシステムにマルウェアを配布することです。このマルウェアは、ランサムウェア、スパイウェア、トロイの木馬など様々な形態を取り得ます。感染したシステムは、データの暗号化や盗難、システムリソースの不正使用など、多岐にわたる悪影響を受ける可能性があります。
不正アクセス
ゼロデイ攻撃を通じて、攻撃者はシステムやネットワークに不正にアクセスすることが可能になります。これにより、機密情報の閲覧、データの改ざん、さらなる攻撃のための足掛かりの確保などが行われることがあります。
金銭的な損失の発生
ゼロデイ攻撃によるマルウェア感染やデータ侵害は、直接的な金銭的損失を引き起こすことがあります。例えば、ランサムウェアによるデータの人質状態や、ビジネスの中断による収益の損失がこれに該当します。さらに、後の法的訴訟や信頼性の損失に関連する間接的なコストも重大です。
データ漏洩
ゼロデイ脆弱性を突く攻撃は、顧客情報、従業員の個人情報、財務データなど、重要なデータの漏洩を引き起こす可能性があります。このような情報の漏洩は、企業の評判に深刻なダメージを与え、顧客の信頼を失う原因となります。
サービス妨害・業務の中断
特定のゼロデイ攻撃は、企業の運営に必要なシステムやサービスを標的とすることがあります。これにより、業務の中断やサービスの停止が発生し、ビジネスに対する大きな妨害となり得ます。これは顧客サービスの低下につながり、長期的なビジネスの損失に繋がる可能性があります。
最悪のシナリオでは、ゼロデイ攻撃によってビジネスの停止、中断なども考えられるため、ゼロデイ攻撃に対する対策はとても重要です。
ゼロデイ攻撃でよく狙われるソフトウェアとは?
ゼロデイ攻撃のターゲットとなる主なプログラムは、広く利用されているソフトウェアやアプリケーションです。具体的な例を挙げると以下のようになります:
- ウェブブラウザ
- オペレーティングシステム(OS)
- オフィスソフトウェア
- メディアプレーヤー
- セキュリティソフトウェア
ウェブブラウザ
主要なウェブブラウザ(Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edgeなど)は、ゼロデイ攻撃のターゲットとなりやすいです。ウェブブラウザは広範囲に利用されており、多くの脆弱性が見つかる可能性があります。
オペレーティングシステム
主要なオペレーティングシステム(Windows、Mac OS、Linuxなど)も、ゼロデイ攻撃の対象となります。特に多くのユーザーが利用するため、攻撃者にとって魅力的な標的となります。
オフィスソフトウェア
Microsoft OfficeやAdobe Acrobatなどのオフィスソフトウェアも、ゼロデイ攻撃の標的となり得ます。これらのソフトウェアはビジネス環境で広く使用されており、攻撃者にとって貴重な情報を得る可能性があります。
メディアプレーヤー
メディアプレーヤー(VLCメディアプレーヤー、Windows Media Playerなど)も、攻撃の標的となることがあります。特に動画や音声ファイルを再生する機能に関連した脆弱性が狙われることがあります。
セキュリティソフトウェア
Ironyようなセキュリティソフトウェアも、攻撃者にとって重要な標的です。攻撃者はセキュリティソフトウェアを攻撃することで、システム全体に侵入しやすくなる可能性があります。
ゼロデイ攻撃を仕掛けてくる手口や原因とは?
ゼロデイ攻撃の前兆として、事前に他のサイバー攻撃を用いた上でゼロデイ攻撃を仕掛けてくることが多いです。
そこで、ゼロデイ攻撃を仕掛けるために利用される様々な手口や原因の例をいくつか挙げてみましょう。
フィッシング攻撃
フィッシング攻撃は、偽のメールやウェブサイトを利用してユーザーから機密情報を盗み取る手法です。ゼロデイ脆弱性を悪用するために、攻撃者はフィッシングメールに悪意のあるリンクや添付ファイルを含めることがあります。ユーザーがこれらをクリックすると、ゼロデイ脆弱性を悪用した攻撃コードが実行される可能性があります。
水飲み場型攻撃
水飲み場型攻撃は、特定のグループや組織のメンバーが頻繁に訪れるウェブサイトを標的にします。攻撃者はこれらのサイトに悪意のあるコードを仕込み、訪問者のデバイスにゼロデイ脆弱性を悪用するマルウェアを自動的にインストールします。
ソーシャルエンジニアリング攻撃
ソーシャルエンジニアリングは、人の心理を悪用する技術で、攻撃者は信頼を得るために嘘や詐欺を使います。例えば、攻撃者は正当な企業や組織を装い、ユーザーを騙してゼロデイ脆弱性を悪用する悪意のあるプログラムを実行させるかもしれません。ソーシャルエンジニアリング攻撃と合わせて使われるのが、フィッシングやプリテキスティングといった手法です。
スピアフィッシング
スピアフィッシングは、特定の個人や組織を標的としたフィッシングの一形態で、攻撃者は被害者について事前に収集した情報を使用して、より説得力のある詐欺メールを作成します。この手法を通じて、ゼロデイ脆弱性を悪用するためのマルウェアを被害者のデバイスに侵入させることができます。ビジネス詐欺メール(BEC)など手法もかなり巧妙で特定しにくいです。
ゼロデイ攻撃の対策と方法
これらは一般的なゼロデイ攻撃の手口の一部です。攻撃者は常に新しい手法を開発し、進化させるため、セキュリティ対策を継続的に強化する必要があります。
ゼロデイ攻撃は、ソフトウェアの未公開の脆弱性を悪用するため発見が非常に難しいです。しかし、適切な対策を行うことで、これらの攻撃のリスクを大幅に軽減することができます。ここでは、ゼロデイ攻撃を予防するための具体的な戦略について解説します。
最小特権を実施
最小特権の原則は、ユーザーやプログラムが必要最低限のアクセス権限のみを持つようにすることです。これにより、攻撃者がシステム内でラテラルムーブメントなどの権限を拡大する機会を減らすことができます。例えば、一般的な従業員には管理者権限を与えない、特定のアプリケーションの実行に必要な権限のみを割り当てるなどがあります。
これを手取り早く、実施するためには、PAMソリューションがおすすめです。
データインフラ全体と、ユーザーのセンシティブデータへのアクセス状況を完全に可視化してくます。
特権アカウントにアクセスできるユーザーと、各ユーザーが持つべきアクセス権を決定することができます。 PAM ソリューションは、特権アカウントが内部脅威によって悪用されたり、脅威アクターによって侵害されたりするのを防ぐのに役立ちます。
ソフトウェアを常に最新バージョンに保つ
ソフトウェアの更新には、セキュリティパッチが含まれることが多く、既知の脆弱性を修正します。自動更新を有効にするか、定期的に最新のソフトウェアバージョンに更新することで、攻撃者が利用可能な脆弱性を減らすことができます。
EDRでエンドポイントを保護
エンドポイント検出・対応(EDR)ツールは、エンドポイントデバイス上での脅威をリアルタイムで検出し、対応することができます。これにより、不審な活動や攻撃の試みを早期に発見し、対処することが可能になります。
従業員のセキュリティ意識の向上
従業員はあなたの一番の弱点になり得ます。 従業員がサイバーセキュリティのベストプラクティスについてトレーニングを受けていない場合、従業員のデバイスからゼロデイ攻撃の被害に遭う可能性は非常に高くなります。 組織は毎月トレーニングセッションを実施し、従業員が会社所有のデバイスで何をすべきで、何をすべきでないかを教える必要があります。 従業員にトレーニングさせるべき事項には、以下のようなものがあります。
まとめ:ゼロデイ攻撃の脅威を事前に対策しましょう
ゼロデイ攻撃は予測不可能で、その影響は甚大ですが、前述した予防策を講じることでリスクを大幅に減少させることが可能です。この中で、特に重要なのが特権アクセス管理(PAM)ソリューションの利用です。特権アクセス管理ソリューションは、システムへのアクセス権限を厳格に管理し、不正アクセスや権限の乱用を防ぐことができます。最小特権の原則に基づいて適切に実施されることで、組織内のセキュリティレベルを顕著に向上させることができます。
特権アクセス管理ソリューションは、権限の監視と記録を提供し、不審な行動が検出された場合にはすぐに警告を発します。これにより、セキュリティチームは迅速に対応し、潜在的な脅威を中和することができます。また、定期的なレビューを通じて、不要になったアクセス権限を削除することで、攻撃者が利用可能な攻撃対象領域を最小限に抑えることが可能です。
KeeperPAM™(特権アクセスマネージャー)は、組織内すべてのデバイス上のすべての特権ユーザーに対する完全な可視性、制御、セキュリティ、レポートを組織に提供する、ゼロトラストおよびゼロ知識特権アクセス管理ソリューションです。 KeeperPAM は、エンタープライズパスワードマネージャー(KPM)、Keeper シークレットマネージャー(KSM)、そしてKeeperコネクションマネージャー(KCM)という3つの強力なセキュリティソリューションを組み合わせて組織を保護します。
ゼロデイ攻撃の脅威は常に進化していますが、特権アクセス管理ソリューションを含む堅牢なセキュリティ対策を実施することで、これらの攻撃から被害に遭うリスクを減らすことができます。
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