認証基盤を強化する方法としては、アイデンティティ管理
PDFファイルを通じてウイルスに感染することがあります。ウイルスはマルウェアの一種で、悪質なコードに隠れており、個人のデータを盗むためにデバイスに感染します。
ウイルスに感染するのは、ユーザーがウイルスに触れることで、例えばウイルスを含んだPDFファイルを開いた場合です。PDFはよく使われる形式なので、ハッカーは見た目には無害に見えるファイルにウイルスを隠して、ユーザーのプライバシーを危険にさらすことがあります。
この記事では、PDFファイルにウイルスが含まれる仕組みや、ウイルスに感染したPDFファイルを開いた場合に起こること、そして悪質なPDFファイルから身を守る方法について解説します。
PDFファイルにウイルスが含まれる仕組み
ウイルスはさまざまな方法でPDFファイルに隠れていますが、主にコードやシステムコマンド、埋め込まれたオブジェクトを使って潜んでいます。ほとんどのウェブブラウザでは、JavaScriptというプログラミング言語が有効になっており、そのコードがPDFファイル内に含まれることがあります。
例えば、ハッカーはJavaScriptを利用してウイルスのコードを隠し、PDFに存在するセキュリティの脆弱性を悪用します。悪質なPDFファイルを開くだけで、ウイルスはデバイス内の他のファイルやアプリケーションに感染を広げることがあります。ハッカーは、ユーザーがウイルス対策ソフトを使ってウイルスを検出したり、防止したり、削除したりできることを知っているため、PDFファイルに隠されたオブジェクトを使って検出を避けようとします。
ウイルスが含まれたPDFファイルを開いてしまうとどうなるのか?
ウイルスの種類によって、PDFを開いただけでは感染しない場合もあります。しかし、いくつかのウイルスは、PDFを開くだけでデバイスを感染させるように作られています。ハッカーは、ユーザーがPDF内の特定のリンクや画像をクリックした場合にだけウイルスが発動するように仕掛けることがあります。たとえば、PDFが添付された迷惑メールを受け取った場合、特定のリンクや画像をクリックしない限り、ウイルスがデバイスに影響を与えることはありません。
ウイルスが含まれたPDFを開いた場合、何が起こるかはハッカーの目的によります。中には、スパイウェアを仕込んでユーザーのインターネット上での活動を監視し、詐欺や個人情報の盗みを働こうとするハッカーもいます。また、金銭目的のハッカーは、ランサムウェアを使ってデバイスを暗号化した後にロックし、身代金を要求することもあります。どんな目的であれ、PDF内のウイルスと関わってしまうと、ハッカーが設定した悪意のあるプログラムが実行され、個人情報が盗まれたり、デバイスが不正にアクセスされたり、他のシステムにマルウェアが広がったりすることがあります。
悪質なPDFファイルから未然に守る対策方法とは
不審なメールには対応しないこと、ウイルスを確認すること、そしてソフトウェアを最新の状態に保つことで、悪質なPDFファイルから個人情報を保護することができます。
不審なメールには決して対応しない
不審なメールには、ウイルスが含まれたPDFファイルなどのリンクや添付ファイルが含まれている可能性があります。 不審なメールとは決して関わってはなりません。そのようなメールは、ハッカーがユーザーの信頼する人物になりすまし、個人情報を共有するよう仕向けるフィッシングメールである可能性があるからです。 届いたメールが知らないメールアドレスから送信されたものであったり、緊急を煽る言葉や脅迫的な言葉を使用していたり、誤字脱字があったり、不審なリンクや添付ファイルが含まれていたりする場合に、メールがフィッシング攻撃であるかどうかを判断できます。 ハッカーは、ユーザーが好奇心からフィッシングメール内のPDFファイルをクリックするのではないかと目論みます。ユーザーがクリックすると、デバイスへのウイルス感染を引き起こす可能性があるのです。 ほとんどのメールサービス事業者は、不審だと判断したメールに警告を表示します。このため、こうした警告に注意を払い、フィッシングメールの兆候に気付くことが重要です。

PDFにウイルスが含まれていないか確認してから開く
ほとんどのウイルス対策ソフトウェアは、デバイスに既知のウイルスが感染するのを検出、防止、削除することができます。そのため、どのようなPDFでも、開く前にウイルス対策ソフトウェアを使用してウイルスをスキャンすることが推奨されます。 ウイルス対策ソフトウェアをインストールしたら、それを使用して、ウイルスが含まれていることが疑われるひとつのPDFをスキャンしたり、あるいはデバイス全体を一度にスキャンしたりすることができます。 どのウイルス対策ソフトウェアを使用する場合でも、一度デバイスにダウンロードしたら起動して、特定のPDFファイルまたはデバイス全体をスキャンします。 ウイルス対策ソフトウェアは、デバイスのコンテンツを既知のウイルスやマルウェアの大規模なデータベースと比較します。そして一致するものを検知すると、ウイルスがデバイスに感染する前にそれを自動的に隔離して削除します。
安全なPDFリーダーを使用する
ウイルスを介して不正アクセスを獲得しようと企むハッカーから個人情報を保護するために、安全なPDFリーダーを使用することが推奨されます。 PDFリーダーは、PDFファイルを閲覧、編集、印刷できるソフトウェアであると同時に、他のユーザーによる権限を制限する機能を備えており、不正アクセスを防ぎます。 PDFリーダーは数多く存在しますが、ソフトウェアを頻繁に更新してセキュリティの脆弱性から保護する安全なものを選択すると良いでしょう。 PDFファイルに潜んだウイルスは、デバイスに存在するセキュリティ上の欠陥を悪用する可能性があるため、信頼できるPDFリーダーを使用して、ハッカーがマルウェアをインストールしたりデータを盗んだりするのを防ぐことが重要です。 PDFリーダーを使用する際は、JavaScriptプラグインを無効にすることをお勧めします。JavaScriptコードは、ハッカーがPDF内にウイルスを隠す場所としてよく使われるためです。
ソフトウェアとオペレーティングシステム (OS) を最新の状態に保つ
PDFに隠されたウイルスから身を守る簡単な方法は、ソフトウェアを最新の状態に保つことです。 最新のソフトウェアアップデートは、通常、セキュリティの脆弱性にパッチを適用したり、新機能を追加したり、バグを修正したり、デバイスの全体的なパフォーマンスを改善したりします。 デバイスのオペレーティングシステム (OS) の最新バージョンをインストールすると、ウイルス感染などのサイバー脅威から身を守ることになるのです。
フィッシングメールをスパムとしてマークする
PDF添付ファイルが添付された不審なメールを受信し、それがフィッシング攻撃であると思われる場合は、そのメールをスパムとしてマークして直ちに報告すると良いでしょう。 フィッシングメールをスパムとしてマークすることは、メールサービス事業者が将来的にウイルスや不審なコンテンツを含むメールを特定するのに役立ちます。 例えば、スパムだとわかっているメールを受信して単に削除すると、同じ送信者がフィッシングメールを送り続けてくる可能性があります。ユーザーがサイバー脅威に直面した事実をメールサービス事業者が把握することはないでしょう。 フィッシングメールをスパムとしてマークすることで、悪質な送信者を受信トレイから締め出し、メールサービス事業者に対してメールフィルタリングをする際に注意すべき相手を伝えられるのです。
まとめ:マルウェアが含まれるPDFファイルの被害に遭わないために
不審なメールがたくさん届いても、そのようなメールには関わらないことが大切だと思いますが、PDFの添付ファイルに騙されてクリックしてしまうと、デバイスにウイルスが感染することがあります。すべてのウイルスが含まれたPDFファイルを開いただけで感染するわけではありませんが、常に警戒することが重要です。そこで、不審なリンクや添付ファイルには触れず、ウイルス対策ソフトでPDFにウイルスが含まれていないか確認しましょう。また、フィッシング攻撃だと思ったメールはスパムとして報告することも有効です。