2段階認証と2要素認証は、オンラインアカウントのセキュリティを強化するための方法ですが、その定義には少し違いがあります。
二要素認証は、本人確認に2つの要素を認証してログインする方法です。これは多要素認証(MFA)の一形態です。一方、二段階認証は、2つの認証ステップを経て本人確認を行いますが、要素の数については制限がないものを指します。
Googleなどでは、積極的に2段階認証を使用しているケースもあり意味が分かりづらいですよね。
このブログでは、2段階認証と2要素認証の意味をそれぞれ紹介して、2つの認証方法の違いと大切な理由をご紹介します。
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2要素認証とは?
二要素認証(2FA)は、セキュリティを向上させるために、2つの異なる認証方法を組み合わせて使用する手法です。このアプローチは、アカウントへのアクセスを許可する前に、ユーザーが2つの異なる証拠(要素)を提供することを要求します。これにより、不正アクセスのリスクが大幅に減少します。
二要素認証で用いられる2つの要素は、以下の3つのカテゴリーから選ばれます。
- 知識要素(Something you know):ユーザーだけが知っている情報、例えばパスワードやPINコード。
- 所持要素(Something you have):ユーザーが物理的に持っているもの、例えばスマートフォンやセキュリティトークン。
- 生体要素(Something you are):ユーザー固有の生体情報、例えば指紋や顔認証、網膜スキャンなど。
2要素認証の例
2要素認証の例をいくつかご紹介します。
知識要素と所持情報を使う場合は、2要素認証(2FA)であり、2段階認証(2SV)でとしてカウントします。そのため多くの企業ではこれを指すために、2段階認証というワードを採用している企業も多いです。ですが、一部、二要素認証(2FA)としてご紹介します。
例1: SMSによるコード認証
ログイン時にユーザー名とパスワードを入力した後、システムがユーザーの携帯電話に一時的な認証コードをSMSで送信します。ユーザーはこのコードを入力してアクセスを確認します。
要素としては、知識要素(パスワード)+ 所持要素(ユーザーのスマホ)を使っています。
「二要素認証」「二段階認証」の両方にあたるもの
例2: 認証アプリ(Google Authenticator、Keeperパスワードマネージャーなど)
ユーザーは、スマートフォンにインストールされた認証アプリを使用して生成される一時的なコードをログイン時に提供します。
要素としては、知識要素(パスワード)+ 所持要素(認証アプリがインストールされたデバイス)を使っています。
知識要素と所持情報を使う場合は、2要素認証(2FA)であり、2段階認証(2SV)でもあります。
例3: 生体認証(顔認証や指紋認証など)
パスワード入力後、指紋認証、顔認証、虹彩認証などの生体認証を使用してユーザーを確認します。
要素としては、知識要素(パスワード)+ 生体要素(ユーザーの生体情報)を使っています。
2段階認証とは?
一般的に日本では、二段階認証は二要素認証と同じ意味で使用されますが、必ずしも異なる種類の認証要素を用いるとは限りません。
例えば、2つの異なるパスワードの入力や、パスワードと後から送られてくるメール内のマジックリンクをクリックするなど、同じカテゴリーの認証要素を2回使用する場合も二段階認証に含まれるものを指します。
説明だけでは、わかりづらいので例をいくつかご紹介します。
2段階認証の例
2段階認証の例をいくつかご紹介します。
例:1 パスワード入力後のセキュリティ質問
ユーザーが最初にパスワードを入力し、次に事前に設定されたセキュリティ質問に答える必要がある形式です。
要素としては、知識要素(パスワード)+ 知識要素(セキュリティ質問の答え)を指します。
例:2 時間制限付きのパスワードリセット
一度ログインした後、ユーザーは特定の期間内にパスワードを変更する必要があります。この場合、パスワード変更はログインプロセスの一部と見なされることがあります。
要素としては、知識要素(初期パスワード)+ 知識要素(新しいパスワード)になります。
2段階認証よりも2要素認証が大切な理由
二要素認証(2FA)が二段階認証よりも強力とされる理由は、主にそのセキュリティの厚さにあります。2FAでは、ユーザーがログインする際に必要な認証の要素が異なるカテゴリーから選ばれます。これは、単にパスワードを2回入力するよりも遥かにセキュアであるということです。一般的に、2FAでは知識要素(例:パスワード)、所持要素(例:スマートフォンに送信される一時コード)、または生体要素(例:指紋認証)のうち2つを組み合わせて使用します。この方法により、たとえ攻撃者がパスワードを盗んだとしても、ユーザーのスマートフォンを手に入れたり、生体情報を複製したりすることなくはログインできないため、アカウントへのハッキングを大幅に困難にします。
二段階認証も追加のセキュリティ層を提供するものの、必ずしも異なる種類の認証要素を使用するわけではなく、同じ種類の要素(例えば、2つの異なるパスワードや、パスワードとメールでの確認)を使用する場合があります。この違いにより、2FAは特にセキュリティが重視される環境で推奨される方法となっています。
2要素認証や多要素認証を設定するべきアカウントの例
二要素認証(2FA)やMFAは、様々な分野でセキュリティを高めるために活用されています。ここでは、どのようなアカウントを保護するべきなのか、具体的な事例をいくつか紹介します。
オンラインバンキング
金融機関は、オンラインバンキングのセキュリティを強化するために2FAやMFAを広く採用しています。金融情報と財産を保護するため、オンラインバンキングアカウントに2FAやMFAを設定することは非常に重要です。アカウント侵害やフィッシング詐欺からアカウントを守るための重要な一歩です。
ソーシャルメディアプラットフォーム
例えば、Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアサービスを含みます。個人情報が多く含まれ、時には仕事やプライベートでの重要なコミュニケーション手段となっているソーシャルメディアアカウントも、2FAやMFAを設定することで、アカウント侵害や個人情報の盗用から保護することができます。
クラウドストレージサービス
Dropbox、Google Drive、iCloudなどのクラウドベースのストレージサービスを含みます。個人的な写真、重要なドキュメント、その他の機密ファイルを保存しているクラウドストレージサービスには、2FAやMFAを設定して追加のセキュリティ層を追加することが重要です。
Eメールプロバイダー
例としては、Gmail、Outlook.com、Yahoo! MailなどのEメールサービスなどが挙げられます。
また、多くのオンラインサービスでアカウント回復手段として使用されるため、メインのEメールアカウントに2FAやMFAを設定することは、他の多くのオンラインアカウントのセキュリティを間接的に強化します。
仕事関連のアカウントやサービス
仕事で使用するEメール、プロジェクト管理ツール、内部コミュニケーションプラットフォームなど、業務上重要な情報を扱うすべてのアカウントに2FAやMFAを設定することで、機密情報の漏洩を防ぐことができます。
まとめ:二要素認証や多要素認証でオンラインアカウントを保護しよう
二要素認証(2FA)やMFAを設定することは、オンラインアカウントをハッキングやデータ漏洩から守るための最も効果的な手段の1つです。
パスワードのみに頼るセキュリティ体制は、フィッシング攻撃やブルートフォース攻撃など、さまざまなサイバー脅威に対して脆弱です。2FAやMFAを活用することで、たとえパスワードが漏洩したとしても、攻撃者は追加の認証要素なしにアカウントにアクセスすることができなくなります。
しかし、多くの異なるサービスで2FAを管理することは、一見すると大変な作業に思えるかもしれません。ここで、Keeperのパスワードマネージャーが大きな助けとなります。Keeperは、パスワードだけでなく、2FAのトークンも安全に保存し、管理する機能を提供しています。これにより、あなたのすべてのオンラインアカウントに簡単かつ迅速にアクセスすることが可能になり、セキュリティを強化しながら利便性も保つことができます。
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