身分証明書から個人情報を盗まれることはあるのか

はい。政府が発行したあなたの身分証明書や運転免許証を手にした人物に、個人情報を盗まれることがあります。 個人識別情報（PII）を含む書類 (氏名、住所、生年月日、写真、署名など) は、どのようなものであっても、個人情報を盗んでフィッシング詐欺の標的にするために利用される恐れがあるのです。

ここでは、あなたの身分証明書を手にした人物ができること、自分のIDが誰かに使われているかどうかを判断する方法、身分証明書を紛失したり盗まれたりした場合の対処法、そして身分証明書を安全に保つ方法について説明します。

私の身分証明書を手にした人物に何ができるのか？

あなたの身分証明書を手に入れた人物は、さまざまなことを実行できます。例えば、あなたの個人情報を盗んだり、あなたになりすまして銀行口座にアクセスしたり、運転免許証の詐欺を働いたり、あなたのIDをダークウェブで売ったりすることなどです。

個人情報を盗む

あなたのIDがデータ漏洩によって流出した場合、その情報をオンラインで’見つけた人物があなたの個人情報を盗む可能性があります。 社会保障番号 (SSN) や氏名、IDを含む書類がハッキングやフィッシング攻撃を介して盗まれた場合、あなたの個人情報が脅かされることになります。これは、その情報を利用した人物があなたになりすます可能性があるためです。 サイバー犯罪者が特にあなたを標的にしている場合でも、あなたがアカウントを持つ企業を標的にしている場合でも、あなたのPIIには価値があり、個人情報盗難の被害に結びつく可能性があるのです。

あなたになりすまして銀行口座にアクセスする

あなたのIDを手に入れたサイバー犯罪者は、あなたの銀行口座にアクセスしたり、お金を引き出したり、あなたの名前で新しいクレジットラインを開設したりする可能性があります。 たとえ身分証明書の有効期限が切れていたとしても、ほとんどの金融機関では本人確認書類として使用することを認めています。つまり、有効期限が切れたあなたの身分証明書を利用する人物があなたになりすます可能性があるのです。

運転免許証を悪用した詐欺を犯す

運転免許証を悪用する詐欺は、誰かがあなたの身分証明書に記載された情報を利用して、自分自身や他の人物の身分証明書を取得することで発生します。 例えば、サイバー犯罪者があなたの身分証明書の写真をオンラインで発見した場合、犯罪者はその情報を自分に合うように改ざんし、自分自身の有効な身分証明書のように作り変えることがあるのです。 国籍の理由や免許証の失効によってサイバー犯罪者が運転免許証を取得できない場合、あなたのIDを使用して運転免許証の詐欺を犯し、本物の免許証を取得することがあります。

ダークウェブであなたのIDを販売する

あなたのIDが意図せずしてデータ漏洩で流出した場合でも、それが悪人の手に渡ったり、場合によってはダークウェブに掲載されて他のサイバー犯罪者に売られることがあります。 ダークウェブはインターネットの一部で、サイバー犯罪者が個人情報窃盗などの犯罪行為を、匿名性を保ちながら遂行できる場所です。 ダークウェブからは何も消去することはできません。そのため、一度あなたのIDがダークウェブに掲載されると、多くのサイバー犯罪者が閲覧したり利用したりすることが可能になるのです。

あなたの身分証明書の偽造コピーを作成する

サイバー犯罪者は、あなたの運転免許証を使用して本物そっくりな偽の身分証明書を作成し、販売して利益を得ようとすることがあります。 これを実行するためにサイバー犯罪者に必要なのは運転免許証の番号のみで、免許証そのものは不要です。 あなたの運転免許証の番号が漏洩して第三者の手にわたり、その人物があなたの身分証明書のコピーを作成して犯罪者に売ることを想像してみてください。 犯罪者があなたの身分証明書を使って犯した罪で逮捕された場合、法執行機関は、そうした容疑を犯罪者ではなくあなたの犯罪歴として記録することがあります。 こうした状況は非常に危険です。犯行に及んだ人物が持っているのはあなたの身分証明書であるため、あなたが犯した罪ではないことを証明するのは難しいからです。

フィッシング詐欺であなたを狙う

あなたのIDがあれば、誰でもあなたをフィッシング詐欺で狙うことが可能です。あなたのIDに関連した個人情報を使用して、正当な人物や企業から発信されたような真実味のあるメッセージを作成することができるためです。 あなたのIDを手に入れた人物は、記載された氏名を使ってあなたを検索し、メールアドレスや電話番号を探し当てることが可能です。 あなたに連絡する手段ができると、その人物は、あなたの銀行口座に不審なアクティビティがあった、あるいはSNSのプロフィールに問題が発生した、などの偽メッセージを送信することがあります。 リンクをクリックしたり、こうしたフィッシングメッセージに対応したりすると、詐欺や個人情報盗難の被害に遭うリスクを負うことになるのです。

IDが誰かに使用されているかどうかを判断するには

以下の兆候があると、紛失したり盗まれたりした身分証明書が誰かに悪用されていることがわかります。

身分証明書の紛失や盗難の被害に遭った場合の対処法

身分証明書が紛失したり盗まれたりした場合に取るべき対策としては、居住する州のDMV (車両管理局) に紛失や盗難を報告すること、クレジットを凍結すること、連邦取引委員会 (FTC) に報告することなどがあります。

身分証明書の紛失や盗難を州政府のDMVに報告する

どこに住んでいても、身分証明書の紛失や盗難については居住する州の自動車サービス局に報告するべきです。 ほとんどの場合、運転免許証が紛失したり盗まれたりした場合、州のDMVが連携してIDを再発行します。 州によっては、運転免許証が紛失したり盗まれたりしたことが判明した場合に、運転免許証番号に「ID確認」フラグを付けられる場合があります。これは、あなたの運転免許証を誰かが使おうとすると、法執行機関に通知され、その人物に本人確認を行うための追加書類を求めるという仕組みです。

クレジットを凍結する

クレジットを凍結すると、債権者はあなたのクレジットレポートにアクセスできなくなります。つまり、債権者は、あなたの名前で新しいローンやクレジットラインを承認することもできません。 身分証明書の紛失や盗難の被害に遭ったら、クレジットを凍結して個人情報盗難の被害に遭うことがないよう保護します。これは、誰もあなたになりすまして詐欺を犯すことができなくなるためです。 クレジット報告書でクレジットを凍結するには、Experian、TransUnion、Equifaxの3つの信用情報機関それぞれに連絡します。 クレジットの凍結はいつでも解除できます。

連邦取引委員会 (FTC) にレポートを提出する

IDが盗まれたという報告を連邦取引委員会 (FTC) に提出すると、委員会はその情報を使用して法執行機関と連携し、あなたが被害に遭った個人情報盗難のケースを調査します。 できるだけ早くFTCに報告書を提出することが重要です。こうすることで、FTCは被害を法執行機関と共有してあなたのIDを回復させ、あなたが遭遇したケースの情報を利用して他の人を保護する手助けをすることができます。

オンラインアカウントを保護する

オンラインアカウントのパスワードを強力なものに変更することは、IDが紛失したり盗まれたりした場合にあなたの個人情報を保護するために必要です。あなたのPIIを使用したサイバー犯罪者にアカウントがハッキングされる恐れがあるためです。 オンラインアカウントごとに強力なパスワードを作成するには、パスワードが16文字以上で構成されており、大文字と小文字、数字、記号を組み合わせたものであるようにしましょう。 より強力なパスワードを使用すると、サイバー犯罪者がパスワードを解読したりオンラインアカウントをハッキングしてデータを盗んだりすることが、はるかに困難になります。

パスワードを変更してアカウントを保護することに加えて、多要素認証 (MFA) も有効にすると良いでしょう。これは、アカウントにアクセスするために別の認証形式を必要とするため、追加のセキュリティ層を提供するものです。 MFAの種類には、PIN、セキュリティの質問への回答、認証アプリが生成するコード、または生体認証などがあります。 自分がアカウントのユーザー本人であることを認証するもう1つの方法は、パスキーを使用することです。パスキーはパスワードレス方式で、ユーザーがひとつのキー (通常は生体認証、スワイプパターン、PIN) で複数のアカウントやアプリにログインすることを可能にします。 どのMFAを使用する場合でも、強力なパスワードの他にアカウントを保護する手段が複数あることで、たとえIDが盗まれたとしても、あなたの個人情報には誰もアクセスすることはできないことが保証されます。

IDを悪質な人物から守るには

以下の手順を実行することで、IDがサイバー犯罪者の手に渡らないようにすることができます。

Keeperで個人情報を保護する

身分証明書を紛失したり盗まれたりした場合にIDを保護することは難しい場合もあります。それでも、あなたの個人情報を保護することは可能です。そのために実行できることは、身分証明書の写真を送る相手に注意を払うこと、クレジットを凍結すること、郵便物をペーパーレス化すること、強力なパスワードでアカウントを保護することです。 重要な書類や情報の写真を安全で暗号化された場所に保存することは役に立ちます。そのため、Keeperパスワードマネージャーを使用することがお勧めです。 Keeperパスワードマネージャーは、パスワードを保存するだけではなく、写真や動画、書類などのファイルを安全な場所に保管することもできます。

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