iPhoneを脱獄することはどれほど危険なのか解説

iPhoneを脱獄することは安全ではなく、個人情報が盗まれたり、スマートフォンがマルウェアに感染したり、またはソフトウェアの誤動作を引き起こしたりするという危険があります。 iPhoneを脱獄すると、セキュリティの脆弱性が増し、サイバー犯罪者がそれを悪用して個人情報にアクセスできるようになります。

ここでは、脱獄とは何か、そしてiPhoneを脱獄することがどのように危険なのかについて説明します。

iPhoneの脱獄とは？

iPhoneを脱獄すると、デフォルトのオペレーティングシステムであるiOSの制約が取り除かれます。 Appleが設定したソフトウェア制限を削除することで、iPhoneがセキュリティ上の欠陥やマルウェア感染に対して脆弱になるリスクがあり、個人データが盗まれる恐れがあります。 Appleは、サードパーティのソースや潜在的なサイバー脅威からiPhoneを保護するために、多くのソフトウェア制限を実装しているため、iPhoneを脱獄すると、関連するセキュリティアップデートを含む最新のソフトウェアをダウンロードできなくなり、デバイスの使用がはるかに危険になります。

人々がiPhoneを脱獄する理由とは？

iPhoneを脱獄したいと思う理由はたくさんあります。これには、見栄えを良くすることから、異なるソフトウェアを使用することまで、さまざまです。 AppleのApp Storeは、一般的に安全なアプリのみをダウンロードできるようになっていますが、iPhoneを脱獄すると、サードパーティのソースからほかのアプリをインストールできるようになります。 不正なアプリ、ゲーム、プログラム、ソフトウェアには、マルウェアが含まれている可能性があり、これはデバイスを感染させ、サードパーティのコンテンツを作成したサイバー犯罪者に個人情報を送信する可能性があります。

iPhoneを脱獄すべきでない6つの危険性と理由

理由が何であれ、iPhoneを脱獄すべきではありません。デバイスのパフォーマンスを維持し、セキュリティアップデートを実行し、スマートフォンのコンテンツを盗まれたり消去されたりしないようにしましょう。

iPhoneを脱獄すべきでない6つの理由を以下に示します。

1. スマートフォンのアップデートが自動的に実行されなくなる

iPhoneを脱獄することを選択すると、重要なセキュリティ強化、バグ修正、スマートフォンがスムーズに動作するのに役立つ新しいツールなど、新たなiOSアップデートを受信できなくなります。 これらの更新された安全機能がなければ、iPhoneは、あなたの知らないうちにウイルスやマルウェアがスマートフォンにインストールされる可能性が高くなります。 iPhoneにAppleからの最新のアップデートが不足すると、あなたは脱獄コミュニティが適切なパッチを見つけ、ソフトウェアアップデートが提供したであろうものと置き換えることができるかどうかに依存することになります。

2. セキュリティ脅威に対して脆弱になる

場合によっては、脱獄コミュニティが、iPhoneのセキュリティニーズを満たすソリューションを見つけられず、スマートフォンを保護されていない状態にし、サイバー脅威に対して脆弱にしてしまうことがあります。 iOSを使用して自動セキュリティアップデートをインストールできなくなると、スマートフォンは、マルウェア、スパイウェア、その他のウイルスを含む、さまざまなセキュリティ脅威の影響を受けやすくなります。 スパイウェアは、サイバー犯罪者があなたをスパイし、ログイン認証情報やクレジットカード番号などの個人情報を取得することを可能にするマルウェアの一種です。 あなたの知らないうちにスマートフォンがハッキングされたり、マルウェアがインストールされたりする可能性は低いと考えているなら、22万5千台のAppleデバイスがマルウェアに感染し、プライベートデータを盗んだという、2015年の大規模なサイバー攻撃を思い出してください。 これらのAppleデバイスのほとんどが、iOSのセキュリティ機能で保護されていなかったため、多くの被害者の個人情報が盗まれ、アカウントからロックされてしまいました。

3. スマートフォンのバッテリーの消耗が速くなる

iPhoneを脱獄すると、バッテリーの消耗が通常よりもはるかに速くなることがあります。これは、サードパーティのアプリの実行に、App Storeのアプリよりも多くのエネルギーが使用されるためです。 これは、不正なアプリにiPhoneに感染するマルウェアが密かに含まれている場合、特に当てはまります。マルウェアはiPhoneのバッテリー寿命を大幅に短縮する可能性があるためです。 App Storeで承認されていないほとんどのアプリは、バッテリーを消耗させるため、iOSを使用していたときに比べてiPhoneのパフォーマンスが低下します。

4. 特定のコンテンツやサービスにアクセスできない可能性がある

Appleの公式ソフトウェアを使用しない場合、脱獄されたiPhoneでは、Appleの特定の内蔵機能が表示されなくなることがあります。 iPhoneを脱獄することで失う可能性のあるコンテンツやサービスの中には、iCloud、FaceTime、iMessage、天気予報、Apple Payなどがあります。Appleは、iPhoneを脱獄した後、中でもこれらのアプリがデータを同期することが困難になると報告しています。 そのため、複数のAppleデバイス間で情報を転送できるようにしたい場合、iPhoneを脱獄することはお勧めできません。

5. スマートフォンがクラッシュしたり、パフォーマンスが低下したりする

脱獄されたスマートフォンは、バッテリーを消耗するアプリを使用していなくても、脱獄されていないものよりもパフォーマンス速度が低下します。 サードパーティのアプリをダウンロードして使用すると、iPhoneは定期的にクラッシュします。これは、それらのアプリは実行に多くのエネルギーを使用し、App Storeのアプリほど広範囲にテストされていないためです。 ダウンロード可能なアプリにAppleのiOSプライバシー設定がなければ、脱獄されたiPhoneは、スマートフォンのさまざまな部分にアクセスできるようになります。これにより、データの使用量、スマートフォンがクラッシュする可能性、そしてデータが悪の手に渡る可能性が増加します。

6. 製造元の保証を失う可能性がある

Appleは脱獄をサポートしていないため、iPhoneの保証を失う可能性があります。 iPhoneを脱獄すると、セキュリティの脆弱性が引き起こされ、バッテリーの寿命を低下させるだけでなく、脱獄後にiPhoneを使用することが完全に不可能になることもあります。 脱獄されたiPhoneが破損して使用できないことに気付いても、脱獄がAppleの保証を無効にするため、Appleは修理を拒否することが出来ます。 iPhoneを修正してAppleの公式iOSを削除し、Appleの承認外で機能を変更すると、元の設定に復元できないこともあります。

iPhoneの脱獄は合法か？

脱獄がどれほど有害なものであっても、その大半は依然として合法です。 

一部のデバイスでは、脱獄を違法とするものもありますが、スマートフォンを脱獄することは、デジタルミレニアム著作権法 (DMCA) の適用除外に基づき、2010年から米国では合法となっています。 スマートフォン、タブレット、スマートウォッチは、電子フロンティア財団（EFF）が、プログラマーは、独立したソフトウェアをテストするために、デバイスを脱獄することを許可されるべきであると主張したため、脱獄が許可されるようになりました。 しかし、議会は、脱獄を許可されるデバイスのリストを拡大するために、3年ごとにこの法律を見直しています。

脱獄はその大半が合法とはいえ、脱獄されたデバイスを使用して海賊版コンテンツをインストールしたり、著作権法を侵害したりすることは違法です。 例えば、脱獄されたiPhoneで海賊版ゲームをダウンロードしてプレイすると、最高1年の懲役と、10万ドルの罰金が科せられる可能性があります。

まとめ：iPhoneの脱獄はセキュリティの観点から危険なので避けよう

Appleデバイスをマルウェア感染やセキュリティの脆弱性から保護するには、iPhoneを脱獄することを避けましょう。 脱獄により、モバイル体験をパーソナライズする自由度が高くなりますが、プラス面よりもマイナス面の方が多く、これは物理的なデバイスだけでなく、個人情報を危険にさらす可能性もあります。