IT統制とは、組織が情報システムを適切かつ安全に運用
企業にとって退職者がデータを持ち出すリスクは深刻で、時には大きな問題に発展し、最悪の場合には、会社を倒産まで追い込んでしまうリスクまであります。
特に顧客情報や取引先情報、業務マニュアル、会計情報などの重要なデータが外部に流出すると、会社の信用を失い、法的な問題にも発展しかねません。
退職時のデータ持ち出しは多くの場合、無意識に行われることもありますが、会社が不利益を被るように意図的な不正行為を行う退職者も少なくありません。
そこで、このブログでは、退職者がデータを持ち出し漏洩するリスクと、防ぐための対策や方法について詳しく解説します。
KeeperPAM(特権アクセスマネージャー)で企業内の
セキュリティを可視化し、企業の安全を支えます!
退職者が漏洩させるデータ例
退職者が持ち出す可能性のあるデータは多岐にわたります。以下に代表的な例を挙げます。
- 顧客情報:顧客名、住所、電話番号、メールアドレス、購買履歴など、金銭的な価値だけでなく、企業の信頼を大きく損なう情報です。
- 取引先情報:取引先の契約内容、価格情報、顧客情報などを指します。
- 業務マニュアル:営業ノウハウ、顧客対応マニュアル、経理処理マニュアルなど、企業の貴重な財産です。
- 会計情報:売上高、利益、経費など、企業の財務状況を把握できる情報です。
- クレデンシャル情報:ユーザー名、パスワード、APIキー、認証トークンなどシステムやアプリケーションへのアクセス権を持つための認証情報。
これらの情報が漏洩することにより、経済的損失、法的問題、ビジネスの信頼を失ったり、最悪の場合は、ビジネスが倒産まで追い込まれてしまう可能性まであります。
退職者によってデータ漏洩された場合のリスク
退職者によってデータ漏洩されるリスクは多岐に渡りますが、その中でも主に以下の3つに分けられます。
経済的損失
退職者によるデータ漏洩による経済的損失は、直接的な売上減少や顧客の喪失だけでなく、漏洩したデータの回収や被害の補償、セキュリティ対策の強化など、多額のコストがかかります。また、競合他社に顧客情報や営業戦略が渡ることで、競争力が低下する可能性もあります。これにより、企業の社会的信用を大きく損ない、株価下落などの経済的な損失を招きかねません。一度下がった、企業の評判やクライアントを戻すことは難しい上に、うまく回復できない最悪の場合は、倒産に至るリスクまであります。
会社の信用失墜
データ漏洩は、企業の信用にも大きな影響を与えます。顧客や取引先からの信頼を失うことは、長期的なビジネス関係に悪影響を及ぼし、新規の契約や取引の機会を失うことにつながります。信用失墜は、一度失った信頼を回復するためには多大な時間と努力が必要です。
法的問題
データ漏洩は、法的な問題も引き起こす可能性があります。顧客情報や取引先情報が不正に流出した場合、企業は法律に基づく罰則や賠償責任を負うことになります。また、個人情報保護法やプライバシーポリシーなどその他の関連法規に違反することで、法的措置や制裁を受けるリスクもあります。
例えば、個人情報保護法に違反した場合、個人情報を適切に管理し、漏洩や不正利用を防ぐための規定を設けているこの法律に基づき、企業は個人情報保護委員会から指導や勧告、命令を受ける可能性があります。2014年のベネッセコーポレーションの事例では、約2,900万件の顧客情報が漏洩し、同社は大規模な社会的批判を受け、個人情報保護委員会から厳しい指導を受けました。
なぜ退職者がデータ漏洩をするのか?
近年、巧妙化するサイバー攻撃に加え、退職者によるデータ持ち出しが深刻な問題となっています。企業にとって、自社の機密情報が外部に漏洩することは、多大な損失を招きかねません。
では、なぜ退職者は貴重なデータを持ち出すのでしょうか? 主な理由は以下の3つが挙げられます。
転職先で退職した企業情報を利用するため
転職先で競合他社よりも優位に立つために、顧客情報、取引先情報、営業ノウハウなどの機密情報を持ち出すケースです。
競合他社への転職の場合、転職先の企業にとって貴重な情報となるため、高評価を得ようと情報持ち出しに手を染める可能性があります。
例えば、ソフトバンクから楽天モバイルに転職した元社員が機密情報の不正持ち出しで損害賠償で訴えられ有罪判決事件などもあります。
このように転職先で営業活動に利用したり、転職先で開発競争を有利に進めようとしたりするなどの目的で転職時に従業員がデータを持ち出す可能性があります。
情報の売買による金銭の取得
顧客情報や取引先情報などの個人情報は、ダークウェブの市場で売買されることがあります。退職者は、このような情報を入手し、金銭と引き換えに売却することで、不当な利益を得ることができます。
近年では、個人情報の価値が高まっており、高額で取引されるケースも増えています。
会社への恨みや不満
会社に対して恨みや不満を抱いている場合、退職時に意図的にデータを持ち出し、会社に損害を与えようとするケースがあります。解雇や降格などの処分を受けた従業員や、長時間労働やパワハラなどの職場環境に不満を抱いていた従業員などが、このような行動を起こしやすい傾向があります。
退職者による情報漏洩を防止する方法
退職者によるデータ漏洩を防ぐためには、いくつかの具体的な対策を講じる必要があります。以下に効果的な方法をご紹介します。
最小権限の原則
退職者が重要な情報にアクセスするリスクを減らすためには、全従業員に対して「最小権限の原則」や「ロールベースアクセスの制御」を適用することが重要です。
最小権限は、各従業員がその職務を遂行するために必要最小限の権限のみを持つことを保証します。また、RBACでは、従業員の役割に応じてアクセス権を設定し、特定の役割に必要な権限のみを付与します。例えば、マーケティング担当者が財務状況を把握できるデータへのアクセス権を持つべきではありません。このように権限を最小限にし、従業員の役割に応じてアクセス権を設定することを徹底することで、情報漏洩のリスクを低減できます。
これを簡単に管理するためには、特権アクセス管理ができるソリューションが必要になります。
多要素認証を設定させる
各オンラインアカウントに多要素認証(MFA)の設定することは、各アカウントを狙う退職者からの不正アクセスの予防策になります。
多要素認証は、ユーザー名とパスワードだけでなく、その他の認証手段を加えることでセキュリティを強化します。この追加の認証手段には、SMSやメールによって送られる一時的なコード、認証アプリによって生成されるコード、または物理的なセキュリティキーが含まれます。
2FAが導入されている場合、退職者がすでにユーザー名とパスワードを知っていたとしても、追加の認証手段がなければアクセスは困難になります。これにより、不正にアクセスされるリスクが大幅に低減されます。
内部監査とログ管理
定期的な内部監査とログ管理は、情報漏洩を防ぐための重要な手段です。
システムアクセスログを監視し、不審な活動がないかを確認します。また、定期的に内部監査を行うことで、ポリシー遵守状況を確認し、必要な是正措置を講じることができます。これにより、早期に内部脅威などの不正行為を発見し、対応することが可能となります。
ネットワークをセグメント化する
ネットワークのセグメント化は、ネットワークを分割して分離し、機密情報にアクセスできるユーザーを制御するものです。 このようなセグメントは、異なるユーザーのニーズに合わせたものであり、事業に必要な機能のみ相互に通信できます。 ネットワークをセグメント化することで、ネットワーク全体へのアクセスが制限され、サイバー犯罪者がネットワーク全体を移動するのを防ぎます。 組織は、マイクロセグメント、つまりセグメント化されたネットワーク内に独立したネットワーク部分を作成することもできます。
法的措置のドキュメント契約を結ぶ
従業員の採用時には、従業員と機密保持契約を結ぶことが重要です。この契約では、退職後も機密情報を外部に漏洩しない義務を明確に規定し、違反した場合の法的措置についても記載します。これにより、従業員に対して法的責任を意識させ、情報漏洩の抑止力とすることができます。
これらの対策を講じることで、退職者による情報漏洩のリスクを大幅に低減することができます。企業は、情報セキュリティを強化し、常に最新の対策を講じることで、情報漏洩のリスクに備える必要があります。
まとめ:Keeperで退職者による情報漏洩を防ぐ
退職者による情報漏洩を防ぐために、Keeperのようなパスワード管理ツールを導入することは非常に効果的です。Keeperを使用することで、最小権限の原則とロールベースのアクセス制御を実施し、従業員がその職務に必要な最小限の権限のみを持つように設定できます。また、各アカウントに多要素認証を導入することで、各アカウントへの不正アクセスを防ぐことができます。
さらに、Keeperは内部監査とログ管理の機能を提供しており、誰がいつどのデータにアクセスしたかを追跡できます。これにより、不審な活動を早期に発見し、対応することも可能です。
退職者による情報漏洩を完全に防ぐ方法はありませんが、特権アクセス管理ソリューションは重要な予防ツールになります。
その特権アクセス管理ソリューションの一例として、ゼロトラストKeeperPAMが挙げられます。
ゼロトラストKeeperPAMは、エンタープライズパスワード管理(KPM)、Keeper シークレットマネージャー(KSM)、そしてKeeperコネクションマネージャー(KCM)という3つの強力なセキュリティソリューションを一つの統合プラットフォームにまとめたものです。このプラットフォームを活用することで、組織はパスワード、機密情報、リモート接続のセキュリティを効果的に強化することが可能になります。
まずは、ゼロトラストKeeperPAMのデモをお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。