毎日何百万人もの人々がGoogle Chrome、Firefox、Safariなどのブラウザを使用してインターネット検索を行っています。多くのユーザーはプライバシーやセキュリティを守るためにシークレットモードを使用していますが、このモードは実際にはその目的で設計されていません。シークレットモードの使用に害はありませんが、その本来の目的を理解することが重要です。このモードは、ブラウザのローカル履歴やデータを保存しないことで、ユーザーのローカルプライバシーを保護するために開発されました。
シークレットモードの履歴が他人に知られる可能性はあるのでしょうか?
結論から言うと、シークレットモードを使っているデバイスなどにも依存しますが、第三者が基本的に見ようと思ったら見れて、バレてしまいます。
この記事では、シークレットモードの履歴はバレるのか?その安全性とはという疑問に焦点を当て、シークレットモードの機能、安全性、どの程度のプライバシーを提供するのか、そして第三者による追跡や監視のリスクはどれほどあるのかなど紹介していきます。
シークレットモードの履歴を見る方法
シークレットモード(またはプライベートブラウジングモード)を使用すると、そのセッションの閲覧履歴、クッキー、入力された情報などはブラウザに保存されません。したがって、シークレットモードでのブラウジング履歴を後から見る通常の方法は存在しません。
ただし、必ずしもバレないという訳ではありません。以下のような方法でシークレットモードの履歴を第三者に見られてしまう可能性もあるので、ブラウザを使う上で必ずしも安全と言う訳ではないことに注意しましょう。
Windowsのコマンドプロンプト機能を使う
Windowsは、ユーザーがインターネットで訪れたウェブサイトのアドレスをDNSキャッシュという形で一時的に保存します。プライベートブラウジングモード(シークレットモード)で閲覧しても、このDNSキャッシュはすぐには消去されません。そのため、コマンドプロンプトで特定のコマンド(ipconfig /displaydns)を実行することで、最近訪れたウェブサイトのアドレスを確認できる可能性があります。これは、シークレットモードでの履歴を直接見ることはできないものの、訪問したサイトのアドレスを間接的にバレる可能性があります。
ネットワークモニタリングツールによる履歴の追跡
企業や教育機関などでは、ネットワークトラフィックを監視するためのツールを使用していることが多いです。これらのツールは、ネットワークを介して送受信されるデータを記録するため、シークレットモードでアクセスしたウェブサイトも追跡可能です。なのでシークレットモードで、会社や学校などのパソコンなどのデバイスからアクセスしたサイトなどの記録は全部バレていると考えるべきでしょう。
セキュリティソフトウェアによる履歴の追跡
一部のセキュリティソフトウェアやアンチウイルスプログラムには、ブラウジング活動を記録する機能が備わっていることがあります。これらは通常、セキュリティ上の脅威を監視する目的で使用されますが、結果としてシークレットモードの履歴も記録される場合があります。
これらの方法によって、あなたのシークレットモードの履歴はバレてしまう可能性があります。よって必ずしも安全ではないことを理解しましょう。
シークレットモードとその安全性とは?
シークレットモード、別名プライベートブラウジングは、ブラウザの設定でオン/オフできる特別なモードです。このモードでは、ユーザーの検索履歴や閲覧履歴がブラウザに保存されないため、多くの人がプライバシー保護のために利用しています。しかし、重要なのは、ブラウザに履歴が残らなくても、インターネットプロバイダーやウェブサイトの管理者など第三者がその活動を追跡できる可能性があることを知っておくことです。
シークレットモードを有効にしても危険性はないので、好きなときに有効にしてください。しかし、その本当の機能は、思っているものとは違うかもしれないので注意が必要です。シークレットモードでできることとできないことについては多くの誤解があります。
シークレットモードを使用しても特定の人は履歴を見れる
シークレットモード(プライベートブラウジングモード)を使用しても、特定の状況や人々にはブラウジングの履歴が知られる可能性があります。どのような人に履歴を見られてしまうのか、バレてしまうのか詳しく見ていきましょう。
インターネットサービスプロバイダー(ISP)
インターネットサービスプロバイダー(ISP)は、お客様がインターネット上で訪問したウェブサイトの履歴を保持しています。そのため、ブラウザのシークレットモードを使用していても、ISPは引き続きあなたのオンライン活動を確認することが可能です。シークレットモードはローカルのデバイスに履歴やクッキーを残さない機能を提供しますが、ISPレベルでの追跡を防ぐものではありません。これは、インターネット接続を通じて行われるすべての活動がISPによって見られる可能性があることを意味します。
会社や学校のネットワーク管理者
会社や学校などの組織では、ネットワーク管理者が組織内のネットワークを通じた通信を監視することが可能です。このため、もし組織のネットワークを利用してシークレットモードでインターネットを閲覧しても、あなたのオンライン活動は追跡される可能性があります。つまり、シークレットモードはあなたのデバイス上のプライバシーは守りますが、組織が管理するネットワーク内では、管理者によってブラウジングの履歴や活動が見られることがあるということです。
ウェブサイトとそのサービスの管理者
シークレットモードでインターネットをブラウジングしているときでも、訪問したウェブサイトやGoogle、Facebookといったサードパーティのトラッキングツールは、ユーザーのオンライン活動を追跡することが可能です。これは、シークレットモードが主にローカルデバイス上でのプライバシー(ブラウザの履歴やクッキーの保存を防ぐ)を提供するのに対し、オンライン上での活動そのものを隠すわけではないためです。
たとえば、あなたが特定のウェブサイトを訪れた場合、そのサイトはあなたの訪問を記録し、特定の行動(クリックやページビューなど)を追跡することができます。また、GoogleやFacebookのようなサードパーティの広告サービスは、多くのウェブサイトに組み込まれており、これらのサービスもユーザーの行動を追跡してターゲット広告を表示することがあります。
シークレットモードを使用している場合でも、これらのウェブサイトやサービスはクッキーやトラッキングコードを利用して、セッション中のユーザーの活動を追跡することが可能です。
シークレットモードを使ったからといって、安全ではない
シークレットモードについてのよくある誤解は、サイバー脅威への保護になるというものです。これは事実ではありません。これまでも紹介してきた通り、シークレットモードは第三者が履歴を見ようと思えば、見ることができますし、安全に繋がる訳ではありません。
シークレットモードが有効になっていても、通常検索におけるサイバー攻撃に対する脆弱性は変わりません。ウェブブラウジング中の安全を守る唯一の方法は、サイバーセキュリティのベストプラクティスを実践することです。
シークレットモードが実際に有効な使用例
シークレットモードが有効なときによく使える効果的な使用例を紹介します。
ブラウザによる閲覧履歴と検索クエリの保存を停止する
シークレットモードを有効にすれば、サイトの閲覧履歴はブラウザに保存されません。しかし、それは第三者が見られないという意味ではありません。シークレットモードを有効にしても、職場や ISP などの担当者(第三者)は閲覧履歴や検索履歴を見ることができます。しかし、シークレットモードが何の役にも立たないというわけではありません。
シークレットモードは、コンピュータに物理的にアクセスできる他の人たちに、閲覧履歴や検索履歴を見られたくない場合に便利です。例えば、お母様のためにサプライズ旅行の予約をしたいとします。シークレットモードで飛行機やホテルを予約すれば、計画を秘密にできます。
クッキーとサイトデータを消去しなければいけない時
インターネットを閲覧・検索した後に、シークレットモードのウィンドウを閉じると、クッキーとサイトデータは消去されます。クッキーとは、ユーザーのデバイスを識別するためにウェブサーバーが作成する小さなデータファイルのことです。このデータはブラウザに送信されて、ユーザーがどのサイトを訪問または再訪問したのかを追跡するために使用されます。シークレットモードでサイトを再訪問した場合、サイトはそのユーザーを再訪問者として認識しません。
アカウントからログアウトする
シークレットモードでアカウントにログインしたり、オンラインフォームに入力したりしても、ブラウザのウィンドウを閉じればその情報は一切保存されません。そのためシークレットモードは、他人のコンピュータを借りたり、図書館や職場の共有コンピュータを使用したりする場合に大変便利です。
シークレットモードのよくある疑問
シークレットモードを有効にしても実行されないことをいくつかご紹介します。
現在地を隠すのか?
答えはノーです。
VPN を使って IPアドレスを隠さない限り、ウェブサイトやサイバー犯罪者を含めたあらゆる第三者がユーザーの現在位置を追跡できます。シークレットモードを有効にしても現在地を隠すことはできません。
IPアドレスを隠すことができるのか?
答えはノーです。
シークレットモードを有効にしても、ウェブサイトやサイバー犯罪が IPアドレスを見ることを防ぐことはできません。そのため、このモードを有効にしても誰でもユーザーの IPアドレスを見ることができます。
サイバー攻撃から身を守ることができるのか?
答えはノーです。
シークレットモードは、サイバーセキュリティソリューションではないことを覚えておくことが重要です。シークレットモードを有効にしても、サイバー犯罪者によるアカウントの漏洩や個人の機密情報の盗難の危険性は、それを無効にしたときと変わりません。
第三者に行動を追跡させないことができるのか?
答えはノーです。
シークレットモードを有効にしても、第三者は問題なくブラウザ上のユーザーの行動を監視できます。シークレットタブから Facebookにログインしても、ISPは何をしたかわかるし、Facebookも引き続きデータの一部にアクセスできます。
シークレットモードを使用すると、閉じると同時に閲覧履歴やクッキーが削除されますが、それだけでは完全な匿名性は保証されません。最近のウェブサイトでは、ブラウザフィンガープリントなどの進んだ追跡ツールを使用して、シークレットモードを利用しているユーザーの行動やアイデンティティを特定することが可能です。これにより、ウェブサイトはユーザーの行動を詳細に追跡し、プロファイリングすることができます。
特に、職場や学校で提供されるインターネット環境では注意が必要です。多くの学校や企業は、ネットワーク上の活動を監視するために追跡ソフトウェアを使用しています。そのため、シークレットモードを使っていても、これらの環境ではプライベートなブラウジング活動が監視される可能性が高いです。職場や学校のコンピューターは個人的な用途には適していないため、プライバシーを重視する活動には個人のデバイスの使用を推奨します。
まとめ:ブラウジングでプライバシーを守るにはVPNなどでセキュリティ強化しよう
今日のインターネット環境では、バックドアやセキュリティの脆弱性が頻繁に発見されており、ウェブブラウジングにおいて完全なプライバシーを保証することは難しいです。ネットサーフィンには常にある程度のリスクが伴いますが、個人的なブラウジングの際には、VPN(仮想プライベートネットワーク)の使用が有効な対策となります。
VPNを利用すると、データの暗号化とIPアドレスの隠蔽を通じてオンラインでのアイデンティティを保護できます。VPN接続では、ユーザーのトラフィックは安全で暗号化されたサーバー経由でリダイレクトされるため、インターネットサービスプロバイダ(ISP)はVPNへの接続は確認できますが、その後の活動は見ることができません。このため、ウェブサイトにアクセスする際に表示されるのはユーザーのIPアドレスではなく、VPNのIPアドレスとなり、個人を特定することが難しくなります。
インターネット上のリスクに対して、シークレットモードは限られた保護しか提供しません。したがって、プライバシーを守るためには、VPNの使用が一つの有効な方法と言えます。
それだけに限らず、日頃からセキュリティ対策をする事が鍵です。
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