サイバーセキュリティにおけるサプライチェーンリスク管
私たちは 21 世紀に生きており、現代の子供たちは、8歳ごろには自分でインターネットを使い始めると言われています。
多くの保護者が子供にスマートフォンを持たせる際に直面する主要な課題の一つが、使用時間の制限の方法や安全面についてです。スマートフォン使用に時間制限を設けることの重要性に気づいたとしても、具体的にどのように制限を設定するかは難しい問題ですよね。
またインターネット上には、インターネットリテラシーの低い子供をターゲットにした個人情報の盗難や、ランサムウェア攻撃、ウイルスなどたくさんの危険も潜んでいます。
そこで、今回は主にどのように保護者が子供のスマホの安全を守るべきなのか、どのように子供のスマホの利用時間を制限するのかというテーマで詳しく解説します。
スマホを使う子供の安全を守ることの重要性
スマートフォンを使う子供たちは、インターネットへのアクセスする時間が増えることで、サイバーセキュリティの危険性にもさらされます。このため、時間制限をするだけでなく、オンライン上での安全性を保つことの大切さを子供に教えることが非常に重要です。子供たちには、インターネット上の安全に関する知識を与えるだけでなく、何か危険を感じた場合は大人に知らせるよう指導しましょう。以下では、子供たちがネット上で遭遇する可能性のある3つの主要なサイバー攻撃の脅威について説明します。
あらゆる詐欺被害の可能性
詐欺師たちは常に脆弱なターゲットを探しており、その中には子供たちも含まれます。子供たちは、SNSやオンラインゲームなど、ネット世界のあらゆる場所を利用し、何の心配もせずにインターネットを利用しているため、詐欺被害に遭う可能性も高くなります。
子供たちに詐欺師や最近流行している詐欺について伝えれば、詐欺を見分け、機微情報を漏らさないように警戒するようになるはずです。
SNSやオンラインゲーム上のネットいじめ
いじめはオンラインとオフライン(実生活)の両方で起こり得ます。そのため、子供と信頼関係を築きオンラインでの行動を見守ることが非常に重要です。ネットいじめのように、信頼する大人や保護者が気づかないほど事態が悪化する事象については、子供があなたにそれを隠していないか注意してください。ネットいじめはあなたが思っているよりも一般的になっています。全米犯罪被害調査(National Crime Victimization Survey)では、9~12年生の学生の約 16% が 1年の間でネットいじめを経験していたことが明らかになりました。
自分の子供がいじめる側であれ、いじめられる側であれ、他人には優しく接することと、誰かにいじわるをされたら大人に知らせるよう子供に伝えましょう。ネット上での他人への接し方次第で子供の将来に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、ネットいじめについては必ず子供と話し合うようにしましょう。
サイバー攻撃
サイバー攻撃はオンライン上のあらゆるユーザーを標的にするため、手口の種類を把握しておくと攻撃を見分けるために役立ちます。子供たちが直面する可能性のあるサイバー攻撃には、フィッシング攻撃(詐欺)とスミッシング攻撃の 2種類があります。フィッシング攻撃とは、クレジットカードや社会保障番号などの機密情報を被害者が漏らすように仕向けるために使われる巧妙なソーシャルエンジニアリング攻撃の一種です。サイバー犯罪者は、ターゲットの情報を盗み取るために緊急事態を装うメールを送信します。スミッシング攻撃はフィッシング攻撃と同様に緊急事態を装いますが、テキストメッセージを通じて行われます。どちらのサイバー攻撃も、悪意のあるリンクをクリックさせて機密情報を漏洩させたり、金銭を盗み取ったりすることが目的です。デバイスへの攻撃はオンラインを日常的に利用している人なら誰にでも起こり得ます。そのため、子供に色々なサイバー攻撃の手口を教えて、ネット空間にいる間に注意すべきことを認識させることが重要です。
子供のスマホを時間制限する方法は?
子供がずっとスマホに向き合っていて、なかなか使用時間を守ってくれない時に有効な方法をいくつか紹介します。
1日の使用時間を制限する
「一日特定の時間だけ使用」というルールを設定し、子供がそれを遵守するように指示する方法です。これは非常に基本的で実施しやすい方法です。このアプローチでは、子供の自己管理能力に依存することになりますが、それは同時に子供の自立心や責任感を養う良い機会にもなります。
iPhoneの「スクリーンタイム」で時間を制限する
iPhoneには「スクリーンタイム」という機能が搭載されており、これを利用することでデバイスの使用時間を制限することができます。この機能を使うと、保護者は子供のiPhoneの使用を管理し、特定のアプリやウェブサイトへのアクセス時間を設定できます。例えば、ゲームやソーシャルメディアアプリの使用時間を1日1時間に制限したり、就寝時間中はデバイスの使用を完全にオフにすることが可能です。スクリーンタイムでは、どのアプリがどのくらいの時間使用されたかの詳細なレポートも提供されるため、子供のデジタル習慣を把握しやすくなります。
スマホ時間制限のアプリを利用する
例えば、Googleファミリーリンクなどのアプリで利用時間に制限をかけるのも一つの手です。
Google ファミリーリンクは、Googleが提供する親子制御サービスです。このサービスを使用することで、保護者は子供のデバイス使用を監視し、管理することができます。ファミリー リンクでは、子供のスマートフォンやタブレットにインストールされているアプリの使用状況を確認したり、アプリのインストールを許可またはブロックしたりすることができます。
また、子供のデバイスの使用時間を設定し、特定の時間帯にデバイスの使用を制限することも可能です。就寝時間や宿題の時間など、子供がデバイスを使用しないように設定することができます。さらに、子供のデバイスの位置情報を確認する機能もあり、子供の安全を確保するのに役立ちます。
子供のスマホの安全を守る対策方法
子供が使うデバイスにセキュリティソフトをインストールする
マルウェア対策やスパイウェア対策などのセキュリティソフトは、マルウェアなどの脅威がデバイス内部のハードウェアや、システムに影響を与えることを防いで子供のデバイスを保護します。また、子供が知らずにウイルスやマルウェアを含むリンクなどをクリックしてもデバイスを保護する保護レイヤーを追加することにもなります。
家族向けのパスワードマネージャーでパスワード管理する
パスワードマネージャーは、企業やユーザーがパスワードを管理するのを手助けするツールです。すべてのパスワードはパスワードストレージ(安全な保管庫)に保存され、そこにアクセスできるのマスターパスワードを持つユーザーだけです。パスワードボルトに保存したパスワードは、安全に共有・管理できます。
また子供にアクセスさせたくないサイトなどのログイン情報やパスワードは一時的に共有したり、親御さんが使用後にログイン情報を変更したりと、便利な使い方ができます。
Keeper の家族向けパスワードマネージャーを使えばサイバー犯罪者による傍受を心配せずに、家族間でパスワードやファイルを安全に共有できます。パスワードマネージャーは、子供たちのすべてのアカウントで強力かつユニークなパスワードを作成するだけでなく、複雑なパスワードを生成する手助けもしてくれます。これらのパスワードを使えば、サイバー犯罪者や詐欺師によるクラッキングはより困難になります。
デバイスを最新の状態にアップデートする保つ
子供のデバイスを安全に保つには、デバイスのアップデートが欠かせません。アップデートには、重要な機能の追加、バグの修正、脆弱性に対応するパッチが含まれています。アップデートが利用可能になったらすぐにデバイスに適用しましょう。そうすれば、デバイスの信頼性と最新のセキュリティアップデートが保証されます。自分のデバイスを常に最新の状態に保つことが習慣になるよう、常に子供に言い聞かせましょう。
ペアレンタルコントロールを使用する
オンラインで身を守ることの重要性をいくら説明しても、子供はほとんど耳を貸してくれません。ネット上の脅威から子供を守るには、言葉がけ以外の保護も必要だと判断した場合は、子供のデバイスでペアレンタルコントロールを有効にしましょう。
ペアレンタルコントロールを有効にすれば、子供が閲覧できるサイトを制限したりプライバシー設定を調整したりすることができます。
通信キャリアが提供する「あんしんフィルター」サービスを活用
主要な通信キャリアが提供する「あんしんフィルター」サービスを活用する方法です。これはペアレンタルコントロールに特化したサービスで、有害なウェブサイトや不適切なコンテンツの閲覧を防ぐフィルタリング機能を備えたアプリです。また、このサービスにはスマートフォンや特定のアプリの使用時間を制限するオプションも含まれています。これにより、子供のインターネットの安全性を高めるとともに、健康的なデジタル習慣を育成するのに役立ちます。
まとめ:子供のスマホを制限して安全に使おう
子供のスマホを制限する前に、サイバーセキュリティの重要性を子供に理解させ、実践させることは日々の習慣として自然に身につけさせることが重要です。
これまで紹介してきた、基本的な安全対策を子供に教え、思い出させることが大切です。例えば、知らない怪しいリンクはクリックしないこと、メールの添付ファイルは勝手に開かないこと、知らない人からのメッセージには応答しないこと、見知らぬ人とオンライン上で友達にならないこと、個人情報の共有を避けること、他人をいじめたり、いじめが発生している場合にはその事実を大人に伝えること、などたくさん守るべき項目はあります。
これらの指導を通じて、子供がサイバーセキュリティのリスクに対処する方法を学ぶことができます。
また、子供がサイバー攻撃や脅威に直面した際、保護者に正直に話し、助けを求めることができるような信頼関係を築くことも重要です。