安全なブラウザとそれぞれの安全な特徴を解説

最も安全なブラウザは、セキュリティ設定とユーザーがブラウジング体験に求める内容によって異なりますが、シークレットモード機能のあるChrome、追跡防止システムを備えたFirefox、プライバシー設定が特徴のDuckDuckGoなどあらゆるブラウザがあり、それぞれメリットとデメリットがあります。

ここでご紹介するブラウザは、ユーザーが求めるセキュリティ機能に応じてそれぞれ長所と短所があります。 どのウェブブラウザを使用する場合でも、個人データを保護する安全機能が複数あることを確認すると良いでしょう。

ここでは、最適なブラウザセキュリティについて、そしてさまざまな種類のブラウザについて詳しく説明します。

安全なブラウザとは？

安全なブラウザは、データがサードパーティのツールに公開されないようにセキュリティ体制がしっかりしていたり、ポリシーが確立されているブラウザを指します。

例えば、皆さんが使っているウェブブラウザにはそれぞれ以下のような特徴があります。

ブラウザ	安全な特徴
Chrome	シークレットモード機能
Firefox	追跡防止システム
DuckDuckGo	プライバシー設定
Brave	広告ブロック機能とトラッカー防止
Safari	インテリジェントトラッキング防止機能
Microsoft Edge	データ漏洩防止とトラッキング防止機能

安全なウェブブラウザには、マルウェアやフィッシング攻撃などのサイバー攻撃から身を守るための高度なセキュリティ機能が搭載されています。 

プライバシーを完全に保ち、継続的に保護することが可能なウェブブラウザは存在しませんが、多くのブラウザはさまざまなプライバシー設定を提供しており、Cookieの管理やブラウザ履歴の消去が可能です。 

多くのウェブブラウザには、サードパーティのウェブサイトがユーザーのCookieにアクセスし、ブラウザでユーザーを追跡して個人データを収集することを制限または完全にブロックするトラッキング防止機能が搭載されています。

さまざまな種類のブラウザとそれらのセキュリティ機能

ここでは、最も一般的に使用されているウェブブラウザと、それらの長所と短所について説明します。

Safari

すべてのAppleデバイスのデフォルトブラウザであるSafariは、強力なプライバシー設定が特徴です。

長所

• プライベートブラウズモードにより、サードパーティによる追跡やポップアップによる閲覧の中断を防ぐ
• Handoff機能により、Appleユーザーは別のAppleデバイスで開いていたタブをすぐに開くことが可能
• インテリジェントトラッキング防止（ITP）は、サイト間での追跡のブロック、全体的な追跡を制限、機械学習を活用してAppleデバイスで見つかった追跡データを排除
• 強力なフィンガープリントによる防御は、デバイスがシステム設定内で同一に見えるようにしてトラッカーがどのデバイスも特定できないようにすることで、ユーザーがオンライン状態にある間にウェブサイトに追跡されるのを防ぐ

短所

• 他のオペレーティングシステムでは利用不可
• ユーザーが暗号化されていないウェブサイトやウェブページにアクセスした場合の通知なし
• ITPがサイト越えトラッキングを阻止する上で多くの問題に直面
• Appleが過去にユーザーの閲覧履歴を収集していたため、Safariの信頼性と安全性が低下

Chrome

GoogleのウェブブラウザであるChromeは、その高度なセキュリティ機能で知られています。

長所

• プライバシーサンドボックス構造により各タブが安全な環境で実行されることで、マルウェアや危険なコードがChromeの他の部分に影響するのを阻止
• シークレットモードは、ユーザーのデバイスやGoogleアカウントに閲覧データを保存しない
• 害を及ぼす恐れがあるウェブサイトにユーザーが訪問した場合に警告を発するセーフブラウジング通知でフィッシングから保護
• Do Not Track機能により、ブラウザのヘッダーにこの設定を示すシグナルが追加され、追跡されたくないという情報がアクセスしたウェブサイトに表示される

短所

• Chromeは大量のバッテリー電力とランダムアクセスメモリ（RAM）を消費する
• 拡張機能は有害でマルウェアやバグが含まれている可能性がある
• 広告はユーザーの閲覧履歴に基づいてターゲット化されるため、プライバシーに関する懸念を引き起こす

Microsoft Edge

Internet Explorerの後継としてMicrosoftが開発したMicrosoft Edgeは、便利で最新のインターフェースを備えた人気のウェブブラウザです。

長所

• Microsoft Defender SmartScreenが、悪意があると考えられるダウンロードやウェブサイトをブロックすることで、マルウェアやフィッシング攻撃からユーザーを保護
• ユーザーは、サードパーティのCookieをブロックすることや、ウェブサイトによるマイクやカメラへのアクセスを禁止することを選択できる
• InPrivate閲覧モードが搭載されており、ユーザーが閲覧履歴やCookieを保存しなくてもオンライン閲覧をサポート
• ポップアップブロック機能により、望ましくないポップアップウィンドウがブラウザで開いてブラウジング体験が損なわれるのを防ぐ

短所

• 他のブラウザと比較すると、拡張機能の選択肢が限られている
• 古いバージョンのWindowsブラウザでは新しい機能が利用できない場合がある
• アップデートが不定期であるため、マルウェアやフィッシング詐欺に対する保護やプライバシー機能に関する懸念がある

Firefox

MozillaのFirefoxは、セキュリティとプライバシー機能が継続的に改善されていることから、最も安全なウェブブラウザの1つです。

長所

• Firefox Private Networkにより、閲覧アクティビティが追跡不能となり、プライベートウィンドウを閉じた後でデータの自動削除が可能
• 強化された追跡保護により、サードパーティ製のトラッカーからユーザーのプライバシーを保護
• コンテンツブロックにより、ユーザーが悪意のあるウェブサイトを閲覧するのを防ぐ
• オープンソースのセキュリティにより、開発者が潜在的なバグや欠陥に関するコードを確認することが可能

短所

• ブラウザ拡張機能のライブラリが小さい
• 多くのウェブブラウザにコードの大半を提供するソフトウェアのChromiumを使用するブラウザと比較すると、互換性に欠ける
• RAMを過度に使用する

DuckDuckGo

プライバシー機能と検索エンジンで知られているDuckDuckGoは、ウェブブラウザとして徐々に人気が高まっています。

長所

• プライバシーベースの検索エンジンが、サードパーティによるユーザーのデータ追跡を防止
• 閲覧履歴データを収集しない
• HTTPS暗号化により、ユーザーは常に安全で保護されたウェブサイトにアクセスする
• アドオンとプライバシーツールは、悪意のあるウェブサイトや侵入型広告からユーザーを保護

短所

• Bingのデータベースからの検索結果に依存
• 他の検索エンジンやウェブブラウザと比べて動作が遅い
• 検索履歴や個人データを追跡しないため、カスタマイズされたオプションが少ない

Vivaldi

Vivaldiはユーザーデータを収集しないウェブブラウザであるため、最も安全なブラウザのひとつとされています。

長所

• Chromiumをベースに作られたソフトウェアであり、多くの拡張機能、アドオン、生産性向上ツール（タスクカレンダーや内蔵の翻訳ツールなど）と互換性がある
• 統合型の広告ブロッカーにより、トラッカーの許可、ウェブトラッカーのブロック、あるいはウェブトラッカーとオンライン広告の両方のブロックを選択できる
• カスタマイズ可能なプライバシー設定（さまざまな検索エンジン、通常の閲覧とプライベート閲覧に合わせたセキュリティ設定など）
• Idle APIを自動的に無効化。これにより、ユーザーがウェブサイトでアクティブである期間に基づいてユーザーの行動を追跡

短所

• デザインとインターフェースが洗練されておらず、多くの人を惹きつけない可能性がある
• パフォーマンス速度が速いはずのChromiumが土台となっているにもかかわらず、閲覧速度は平均的
• 効率的に動作するためにメモリとストレージを消費する

Brave

最新のウェブブラウザのひとつであるBraveは、オープンソースで、さまざまなオペレーティングシステムで利用できます。

長所

• 内蔵の広告ブロッカー、追跡保護、スクリプトブロッカー、内臓のフィンガープリント防止ツールにより、トラッカーや悪意のあるソフトウェアをブロックして全体的なプライバシーを強化
• より安全なHTTPSに接続を自動的にアップグレード
• ほとんどのChrome拡張機能をサポートし、ブラウザの外観と設定のカスタマイズオプションが利用可能
• プライバシーを尊重する広告を許可することで、ユーザーにベーシックアテンショントークン（BAT）の形で報酬システムを提供

短所

• 追加の広告ブロック機能とセキュリティツールにより、多くのシステムリソースを消費する
• 厳格なプライバシー設定と強力な広告ブロッキングにより、ウェブサイトの互換性の面で問題がある
• 報酬システムはブラウザの広告のみで動作するため、頻度が少ないことがユーザーの不満を募らせる
• 内蔵VPNには漏洩防止などの機能が搭載されていないため、接続が中断された場合データが流出する可能性がある

まとめ：ウェブブラウザ閲覧中に安全を確保しましょう

どのウェブブラウザを使用する場合でも、ブラウザのプライバシーとセキュリティ機能を理解して、個人情報に対する潜在的なリスクを把握することが重要です。 上記で紹介した主要なウェブブラウザにはそれぞれ長所と短所がありますが、ウェブブラウザで何を重視するかを決めるのはあなたです。
安全なウェブブラウザを使用しても、あなたが強力なパスワードも併用してアカウントを保護しない限り、完全に保護されることはないのです。

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