プロビジョニング解除とは?
- IAM 用語集
- プロビジョニング解除とは?
デプロビジョニングは、従業員がアクセス権を必要としなくなった際に、組織のシステム、アプリ、ネットワークリソースからその権限を削除するプロセスです。このプロセスは退職時だけではなく、ロールが変更された場合や、一時的なアクセス権が期限切れになった場合にも行われます。デプロビジョニングは、ID管理とアクセス管理 (IAM) の重要な要素であり、ユーザーが業務に必要な権限のみを持つことを保証します。適切に実施されないと、セキュリティ上のリスクが残る可能性があります。
プロビジョニングとデプロビジョニングの違い
プロビジョニングはデプロビジョニングの逆のプロセスです。ユーザーのデジタルアイデンティティを作成し、従業員や契約社員が組織のデータ、システム、アプリケーションにアクセスできるようにすることを指します。プロビジョニングは、従業員が入社したとき、役割が変更されたとき、昇進したときなどに行われます。
例えば、新しいマーケティングディレクターが入社した場合、プロビジョニングはオンボーディングの一環として実施されます。IT部門がユーザーアカウントを作成し、必要なマーケティングデータベースへのアクセス権を付与します。これにより、新しい役割にスムーズに移行できるようになります。
デプロビジョニングの仕組み
ユーザーが退職したり役割が変更された場合、通常は人事部から連絡を受けたIT部門が、システム管理者にアクセス制限や削除の指示を出します。システム管理者は、すべてのシステム、アプリケーション、ネットワークリソースにおけるユーザーの権限を確認し、不要なアクセスを確実に無効化します。しかし、IAMソリューションの活用により、プロビジョニングとデプロビジョニングの自動化が多くの組織で標準化されています。現代のIAMソリューションによってプロセスはより自動化、集中管理され、包括的に行えるようにしています。
自動デプロビジョニングとは?
自動デプロビジョニングとは、従業員が退職した際に、そのユーザーアカウントやアクセス権限を自動的に削除する仕組みです。組織には多くのシステムがユーザーアカウントと連携している場合があり、手作業で管理するのは大きな負担になります。自動化を導入することで、この負担を軽減し、煩雑なプロセスを効率化できます。
デプロビジョニングの推奨事項
デプロビジョニングを実践する際の7つのポイントをご紹介します。
最小権限の原則を適用する
最小権限の原則 (PoLP) とは、ユーザーに業務遂行に必要な権限だけを付与するというサイバーセキュリティの基本概念です。アクセス権を最小限に制限することで、内部脅威のリスクを低減し、機密データを保護するとともに、アカウントが侵害された場合の横方向への展開のリスクも抑えられます。
IAMソリューションを活用する
IAMソリューションを導入することで、デプロビジョニングを効率化できます。ユーザーアクセスの制限や削除を自動化できるため、アカウントをひとつずつ手作業で管理する必要がなくなります。手作業では時間がかかるうえ、ヒューマンエラーが発生しやすく、セキュリティ侵害につながるリスクがあります。自動化により作業ミスを防ぎ、組織全体のセキュリティをより強固にすることができます。
ゼロトラストモデルを採用する
ゼロトラストの考え方では、すべてのユーザーがネットワークやデータにアクセスする前に、必ず本人確認を行う必要があります。継続的な認証を重視することで、ユーザーやシステム全体の状況を可視化でき、管理者は不審な動きをいち早く把握し、効果的に対応できます。
認証方法を強化する
認証とは、ユーザーやアプリケーション、システムが組織のリソースにアクセスする前に行う本人確認のプロセスです。安全性の高い認証方法を導入することで、ユーザーアクセスを継続的に監視でき、内部脅威のリスクを軽減できます。
退職時のチェックリストを用意する
退職時のチェックリストとは、従業員が組織を離れる際のオフボーディングを円滑に進めるための、詳細な作業リストです。チェックリストには、退職プロセスを整理し、重要な作業が漏れないようにするために必要な項目が含まれます。組織によって内容は異なりますが、一般的にはシステムへのアクセス権の削除、会社支給デバイスの回収、業務引き継ぎの支援、データのバックアップなどの作業が含まれます。
コンプライアンスを監視する
コンプライアンスの監視とは、組織がすべての法令や規制要件を満たしているかを確認し、潜在的なリスクに対応することです。システムへのアクセス権の削除や社内データの保護など、すべての対応が適切に実施されることが重要です。コンプライアンスを継続的に監視することで、無断アクセスやデータ漏洩、医療保険の携行性と責任に関する法律 (HIPAA) やEU一般データ保護規則 (GDPR) などの規制違反のリスクを低減できます。
バックアップを実施する
従業員のアクセス権を削除する前に、重要なデータをバックアップして保護することは非常に重要です。この手順により、オフボーディングの際にデータが失われるリスクを防ぎ、従業員が退職した場合でも重要な情報を確実に保持できます。